おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
週末のエモブロです。ぼくは心が狭いので、誰かを妬んだり攻撃したくなることがよくあります。つまらない人間ですよね💦でもその原因はその誰かにあるんじゃなくて、実は自分の中にあるんですよね。
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誰かを妬んだり攻撃したくなるのは「エゴレンズ」という歪んだものの見方を持っているから
ハイディ・グラント・ハルヴォーソンというアメリカの有名な社会心理学者がいます。モチベーションと達成感に関する専門家なんですよ。彼女は、その著書『だれもわかってくれない 傷つかないための心理学 (ハヤカワ文庫NF)』の中で、自己肯定感を守る色眼鏡として「エゴレンズ」という考え方を述べています。この「エゴレンズ」という考え方で、ぼくが陥った「妬み」をうまく説明できます。
「エゴレンズ」というのは、自分が優位になるようにものごとを見て、自己肯定感を守ったり高めたり、自分に自信をもたせるような歪んだものの見方のことです。まあ要は「自分の方が他人よりも優れていると確認したい」という欲求を満たすようなモノの見方、ということですね。
優秀で実績ある人を攻撃したくなる
ここからはぼくの体験談ですが、ぼくは10年ほど前、まだ独立する前ですが、ある「異業種交流会」参加していました。その会に出入りしていたとき、実は自分が劣っているような気が常にしていたんですよね。というのも、その会の参加資格は、中小企業の経営者か後継者に限られていました。ぼくも一応は「後継者」という体で参加していたのですが、当時勤めていた会社では、ぼくが将来的に会社を引き継ぐということについては何の保証もなかったのです。じゃあなんでその会に参加したのか?というと、ぶっちゃけて言えば、経営者とお近づきになれば営業の機会になるからという打算的なものでした(断っておきますが、ぼくは会社としての指示で参加しました)。いわば嘘をついて会に潜り込んだのですから、後ろめたい気持ちや場違いな気持ちがあって、「ぼくは本来ここにいるべきじゃないんだ」と思っていたんですよ。
経営者とお近づきになって営業を成功させるには、そんな弱気じゃダメですよね。自分がさも有能なように振る舞わなければなりません。しかし参加している経営者には百戦錬磨の凄腕経営者もいて、自ら経営経験のないサラリーマンコンサルを「有能だ」と思ってもらえるような場ではないんですよね。そんなときぼくはどうしたかというと、なんと優秀で実績もある経営者を妬んだり、攻撃したくなったのです(もちろん表面には出しません。心のなかでの話です)。
例えば、誰かの素晴らしい実績を聞いても「いや、実績が出たと言ってもたまたまだろう」とか、「その程度の規模の会社ならば、ぼくでも成功させられる」みたいなことを心のなかで思って、イライラしていましたからね。相手より自分のほうが優れている点に注目したり、相手の優れた点を見て見ぬふりしたりしなければ、場違いな中で自分を保つことができなかったんでしょうね。
これはまさに「エゴレンズ」による、偏ったモノの見方です。
誰かの優れた資質や業績を、自分の自己肯定感にとって脅威だと認識してしまう
なんでぼくがこんなことをしたかというと、誰かの優れた資質や業績が自分の自己肯定感にとって脅威だとみなしたからでしょう。他の経営者のほうが(自ら経営経験のないサラリーマンであるぼくよりも)経営能力も実績もあるとなれば、ぼくは経営者とお近づきになって営業を成功させるというミッションを成功させることができません。成功しなかったとなれば「高い会費を払い、時間を費やしてお前を会に参加させたのに、結果を出せないのはどういうことだ」と、ぼくを会に送り込んだ会社内でも、ぼくの評価が下がってしまいます。
「エゴレンズ」が作動するのは、自分にとって大事な分野に関してだとハルヴォーソンは言います。学生だったら勉強やスポーツの能力・実績でしょうし、仕事であれば仕事の能力や実績です。これらが脅かされるような場合に、「エゴレンズ」が強く作用するといいます。自分にとって大事な分野で脅威に感じる人に対して妬みを持っては攻撃し、誰か弱い人を見つけては優越感に浸って、自己肯定感を守ろうとするのです。「自分(たち)は善良で、賢明で、勤勉で、道徳的だ。それにひきかえあいつ(ら)はどいつもこいつもバカばかり」と思って、安心したくなるんですよね。そうでないと脅威に感じて怖いんですよ。
このように自己肯定感は、自分の能力や実績が他者と比較してどうか、というところに大きく左右されます。ぼくはその会に参加しているとき、こうしたことを無意識にやってしまっていたのです。そういうメカニズムで自分の心が動いているということも、自分では気がついていませんでした。こうして心の動きを客観的に見ると、滑稽ですよね。
反対に、自分が同級生やライバル、同業者などから攻撃を受けるときは、もしかしてその相手に「エゴレンズ」が作動している可能性があります。あなたの能力や業績を脅威に思っているから、あなたを攻撃して脅威を減らし自己肯定感を守ろうとしているのかもしれません。でも繰り返しになりますが「エゴレンズ」は自分が優位になるようにものごとを見て、自己肯定感を守ったり高めたり、自分に自身をもたせるような歪んだものの見方なんですよね。
誰かを妬んだり攻撃したくなったとき、その原因はその誰かにあるんじゃないんです。全ての原因は、自分の中にあるんですよね。その歪んだものの見方に気づいて、少しずつでも是正していくほかはないんでしょうね。