おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
環境法令解説シリーズ、今回は労働安全衛生法の改正点について要点を絞って解説します。厳密に言うと労働安全衛生法は環境法令とは言えませんが、ISO14001の順守義務として取り扱う場合があります。その場合を想定して、企業が対応すべきポイントの要点を説明します。(今回は実施体制の確立)
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【環境法令解説シリーズ】2022~2024年施行 労働安全衛生法ポイント解説(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 環境法令解説シリーズ、今回は労働安全衛生法の改正点について要点を絞って解説します。厳密に言うと労働安全衛生法は環境法令とは言えませんが ...
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【環境法令解説シリーズ】2022~2024年施行 労働安全衛生法ポイント解説(2:化学物質管理体系の見直し)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 環境法令解説シリーズ、今回は労働安全衛生法の改正点について要点を絞って解説します。厳密に言うと労働安全衛生法は環境法令とは言えませんが ...
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2023~2024年施行 労働安全衛生法改正ポイント(化学物質管理体系の見直し)
2023~2024年にかけて段階的に施行される、改正労働安全衛生法のポイント(実施体制の確立)は、下記の通りです。
職長等に対する安全衛生教育が必要となる業種の拡大
労働安全衛生法第60条では、新たにリーダー的な立場や監督役となる人に対して、職場の安全と健康についての教育を受けさせなければならないと定められています。これに新たに次の業種が追加されます。
- 食品製造業(ただし、うま味調味料製造業と動植物油脂製造業は、すでに対象です)
- 新聞業
- 出版業
- 製本業
- 印刷物加工業
化学物質管理者・保護具着用管理責任者の選任義務化(2024年から)
化学物質管理者について
リスクアセスメント対象物質を製造、取扱い、または他人に提供したりする事業場では、事業場ごとに化学物質管理者を選ぶ必要があります。ただし、一般消費者が商品だけを扱っている事業場は除きます。場所の状況によっては、複数の化学物質管理者を選ぶこともできます。
化学物質管理者は、リスクアセスメント対象物の製造事業場であれば、専門的講習(講義9時間、実習3時間)の修了者が選任対象です。一方、リスクアセスメント対象物の製造事業場以外の事業場であれば、資格要件はありません。ただしそのような事業場で選任される化学物質管理者も、専門的講習(講義9時間、実習3時間)を修了することが推奨されています。
化学物質管理者は、ラベルや安全データシート(SDS)の確認、化学物質に関するリスクアセスメントの実施管理、リスクアセスメント結果に基づいた防護措置の選択と実施の管理、化学物質の自主管理に関わる記録の作成と保存などの役割を担います。
保護具着用管理責任者について
リスクアセスメントの結果、労働者に保護具の使用が必要と判断された職場では、保護具着用管理責任者の選任が必要です。
保護具着用管理責任者は、保護具について十分な経験と知識がある人、もしくは保護具の管理に関する教育(2022年12月26日 基安化発1226第1号に基づく計6時間の講習)を受講した人が選任対象です。保護具着用管理責任者は、労働者に最も適した保護具の選択、労働者が保護具をどのように使用しているかの管理、そして保護具全般の管理を行います。
雇入れ時等教育の拡充(2024年から)
労働安全衛生法第59条、労働安全衛生規則第35条では、新たに人を雇い入れたときは、その人が担当する業務に関する安全・衛生のための教育を行うことが定められています。従来は特定の業種で、いくつかの教育項目を省略することができましたが、そのルールが撤廃されます。2024年以降は、危険性・有害性のある化学物質を作ったり扱ったりする全ての事業場で、化学物質の安全について必要な教育を、雇入れ時に行う必要があります。(パートタイマー・アルバイトなど短時間労働者に対しても教育する義務があります)
情報伝達の強化については、次回解説します。