おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
内部監査レベルアップ講座、今回は設計開発プロセスの内部監査についてお話をします。設計開発は、内部監査が難しいところなんですよね。しかし新製品・新サービスの品質保証にとって超重要なプロセスなので、一般的な設計開発プロセスの例を説明したうえで、内部監査の具体的方法を解説します。
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設計開発のプロセスの監査は結構難しい
今回は設計開発プロセスの内部監査についてお話をします。ぼくは外部審査員もやっていますが、設計開発の監査って難しいんですよね。設計開発しようとする製品やサービスによっても、設計開発内容は大きく異なりますし、もちろん会社によっても進め方は違うのが当たり前です。そもそも設計開発ってどういう仕事なんだろうということが曖昧にしかわかっていないと、有効な監査ができません。
しかし設計・開発プロセスは品質を保証するうえで超重要なプロセスなのです。したがって、設計開発のプロセスをしっかりと監査をすることが、ISO9001の効果を高めるためにも重要であると断言してもよいです。
設計・開発プロセスはなぜ重要なのか?
なぜ重要なのかについて、例を使ってわかりやすく説明をしたいと思います。
お菓子作りを想像してもらいたいんですが、お菓子のレシピを作ることが「設計」で、そのレシピに沿って、実際にお菓子を作るのが「製造」です。
レシピがしっかりしていることが、なぜ重要なのか、わかりますよね?レシピがないと、味が異常に薄いお菓子ができたり、反対にめちゃめちゃ濃いお菓子ができたりします。そうしたお菓子って美味しくないですよね。
仮にレシピがあったとしても、そのレシピを作ったのが、プロではないアマチュアだったら、やっぱり微妙なものができそうです。ですので、美味しいお菓子を作るためには、実績のあるプロのレシピを参考にするのがいいはずです。実績のあるプロが作ったレシピのような、しっかりしたレシピがあることを「設計品質がよい」と言います。
次に、そのレシピ通りにお菓子を作ることも重要です。勝手に手順を変えたり、必要な道具を使わなかったり、計量を適当にやったりすると、せっかくいいレシピがあっても、美味しいお菓子はできません。したがって、レシピ通りに材料を混ぜて、オーブンでちょうどいい時間焼くことが、お菓子を美味しく作る上で大切ですよね。このように、レシピ通りにお菓子を仕上げることを「製造品質がよい」といいます。
この図でもわかるように、設計というプロセスは、設計品質にも関わるプロセスですし、製造品質にも関わるプロセスです。両方にまたがっていますよね。したがって、設計開発のプロセスは、よい設計品質を実現するために重要なプロセスであると同時に、よい製造品質を実現する上での基礎でもあるわけです。