おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
2回にわたり、省人化・省力化の基本について解説をします。製造業の皆さんは、慢性的な人手不足悩んでおられると思います。省人化や省力化のために、設備投資を考えているという方も多いと思いますが、省人化や省力化を有効に果たすにはどうすればよいか、という基本を解説します。
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省人化とはなにか?
省人化とは、自動化や機械化を果たすこと、もしくは運搬のムダ・作業のムダをなくすこと、仕事のやり方を見直すことで、その作業に携わる人の数を減らすことです。
例えば、製造現場で、運搬専属の作業者が4人いたとします。何かを改善をすることで、4人を2人へと減らすのが省人化です。省人化は無人化ではありません。4人でやっていたことを、いきなり無人にするという改善はなかなかできませんからね。また、人を減らすといっても、リストラするのではなく、減った人には他の仕事をやってもらうというのが理想です。他の仕事というのは、例えば現場の仕事のうち、外注に依頼をしている仕事を、その人にやってもらうとか、もっと付加価値の高い仕事をやってもらうことが考えられます。
省力化とはなにか?
一方、省力化とは、自動化や機械化を果たすことで、その作業にかかる時間や労力を減らすことです。
例えば、1時間かかっていた作業を30分へと削減する、という感じですね。屈強で若い男性社員しかできなかった重労働が、私のようなおじさんでもできるようにする、みたいなことでもあります。
省人化や省力化の対象となる「付随作業」と「ムダ」
省人化や省力化の対象となるのはどのような仕事でしょうか。一般的に、仕事は「正味作業」と「付随作業」と「ムダ」の3つに分けられます。
「正味作業」とは、本当に価値を生む作業で、組立をしているまさのその瞬間とか、加工をしているまさにその瞬間を言います。
そして「付随作業」とは、価値はないが必要な作業のことです。段取替えとか、組立をしているときに部品や工具を持ち替えるとか置くなどの作業ですね。
最後は「ムダ」で、価値がなく、さらにはなくすことが望ましい作業です。これには探すムダとか、運搬のムダなどがあります。いわゆる「7つのムダ」とか「8つのムダ」と言われるものですね。
一般的には、正味作業は仕事の2割程度しかないと言われています。トヨタでさえ、正味作業の割合は5割くらいだと聞いたことがあります。この正味作業は無くせませんし、割合としても大きくないので、省人化や省力化の対象としては優先順位は低いでしょう。したがって、割合の多い付随作業やムダが、省人化や省力化の対象です。ここを減らす、またはなくすことで、仕事の効率に大きな影響を与えることができます。省人化と省力化は、別の言い方をすると、ムダと付随作業を極力減らして、正味作業の割合を高めていく取り組みとも言えるでしょう。
次回は、省人化や省力化はどういった方法で実現できるかを解説します。