おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
トップに対する内部監査は、一般的に、儀礼的で紋切り型の監査に終止しているケースが多いんじゃないかと思います。今日はそんな厄介なトップに対する内部監査に関して、トップマネジメントの仕事(プロセス)について解説します。
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【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(1)
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トップに対して何を訊くかはトップのプロセス次第
ではトップに対してはどのように質問をすればいいのでしょうか。間違っても、前回見たように、どのように、規格に書いていることをほぼそのまま質問形式にして訊くようなことではいけません。
トップに対して何を訊くかは、結局トップのプロセス次第……つまり、皆さんの会社のトップがどのような仕事や管理をしているかによります。ですので、まずはトップの仕事を理解しないといけません。
トップの仕事(プロセス)は会社によっても違うでしょうけど、一般的な例をお見せしながら説明をしたいと思います。
まず、トップの耳に、様々な情報が入ってきます。これには社外のことや社内のことがあります。例えば、最近は競合他社に新しい動きが見られる、というような情報です。こうした情報をもとに、経営者はいろいろ考えて判断をします。競合が新しい動きをしているのなら「うちも何かをやらないといけないな」とか「やることに対してリスクはあるかな」みたいなことを考えます。そして検討した結果は、新製品開発の計画や目標、そして指示として、各部門や社員に伝えられます。その実行の結果は、また社長の耳に入っていき、社長がさらに考えて判断をします。こうして、トップの仕事が、現場における「行動」や「結果」につながっていくんですね。これがトップの仕事の一般的な流れです。
トップの仕事も現場の仕事も本質的には同じ
実は、トップであろうが、現場の第一線で働く従業員であろうが、役割は本質的にはそう変わりません。
現場の従業員は、前工程から受け取ったものを、良品を製造することを目指して、決められた作業手順を守り、次の工程へと成果を渡します。トップもまた、知り得た情報や知見を、会社の安定と成長を実現することを目指して、倫理や法律などのルールを守り、意思決定をして各部門へと展開します。
もちろん、トップの仕事と現場の仕事では、その役割や責任の範囲は異なりますが、自分に課せられたルールを守って成果を出すという点で同じといえます。したがって、トップへの内部監査でも、トップに課せられたルールに従って、効果的にトップとしての仕事を果たしているかどうかを確認するのです。この時、ISOの規格も、トップに課せられたルールの一つになります。
トップマネジメントに関連する箇条(トップに課せられるISO上のルール)
ISO9001の規格の箇条でいうと、ピンク色で示した箇条が、一般的には、トップに課せられたルール、つまり監査における基準となります。このあたりを中心にして、規格で求められていることにトップが従っているか、効果が出ているかを内部監査で確認します。
次回は、トップマネジメントに対する具体的な質問内容を解説します。