「中小企業省力化投資補助金」とは、どんな補助金だろうか」
「中小企業省力化投資補助金」に申請したいが、自社は申し込みできるだろうか」
と心配される方に向けて、"10分でだいたいわかる"よう、解説をしています。
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「中小企業省力化投資補助金」とはいったい何?
ポイント
- 人手不足の解消に向けて、省人化・省力化に必要な設備などへの投資を支援する補助金
経済産業省のPR資料によると、IoTやロボット等、人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるような補助金のようです。
「中小企業省力化投資補助金」の補助上限額・補助率?
ポイント
- 補助上限額は最大1,500万円
- 補助率は1/2
- 従業員数と賃上げ要件を満たすかどうかに応じて補助上限額が決まる
賃上げ要件は、補助事業終了時点(≒省力化機器の納入・支払い後)において(a)事業所内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること、(b)給与支給総額を年率平均6%以上増加させることをいうようです。この文面から確たる事は読み取れませんが、(a)は事業終了時点で、(b)は毎年の報告時点か、もしくは事業計画終了時点ではないかと思います。
「中小企業省力化投資補助金」の対象となる機器・経費って何?
ポイント
- 事務局に認定された機器のみが対象
- 対象となる機器のイメージは、無人搬送ロボット、検品・仕分けシステム、無人監視システム、キャッシュレス型自動券売機等
省力化製品・省力化製品製造事業者 登録要領によると、「中小企業省力化投資補助金」の対象経費は、事務局に認定された(税法上の)機械装置や器具備品が対象です。機器の登録はメーカー(海外メーカーのものは総代理店)が行い、事務局・役所の審査にパスすれば、「カタログ」(補助金のシステム)に登録するという形ですので、事前に登録された設備投資費用のみが対象です。
なお、対象となる機器は12月21日に『国内投資促進パッケージ(施策集)』という資料で一部例示されています。
「中小企業省力化投資補助金」の申請要件は?
ポイント
- 人手不足の状態にある中小企業・小規模事業者等であり、客観的にそれを示す証拠が出せること
- 補助事業終了後1~3年で付加価値額の従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
人手不足を客観的に示す証憑(証拠)の提出が求められるようです。ぼくがざっと適当に思いつく限りでは、求人広告履歴・求人広告への支払い証憑とか、残業時間が増加していることを賃金台帳から示すこと、外部の業者に業務を委託している履歴や支払い証憑、採用数と退職者数の推移、従業員数の推移などでしょうか。(あくまでも推測です)
「あるいは人手不足が経営課題となっている旨の申告」というのがどういうものを指すのかよくわかりませんが、証憑を出せない場合は、「うちは人手不足なんですよ」という主旨の一筆を書かされるのかもしれません。ただ、それで済むのならば誰も証憑なんて出さないわけなので、何らかの差別化(例えば証憑を出したら加点とか)が図られるのかもしれません。
また、補助事業終了後1~3年で付加価値額の従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%以上増加する見込みの事業計画を策定すること(以下「付加価値額要件」という。)。 (付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)
これはものづくり補助金やIT導入補助金と同じ要件ですが、中小企業省力化投資補助事業の場合、付加価値額目標が未達の場合は補助金一部返還となるようです。事務局公募要領P16の補助要件には「予見できない大きな事業環境の変化に直面するなどの正当な理由なく、付加価値額要件の目標を達成できなかったときは、補助金額の一部の返還を求める。」と書いていました。
付加価値額目標が未達の場合に補助金を一部返還するというのは、おそらく中小企業庁関連の補助金では初めて設けられた要件だと思います。
なおここから、申請時には1~3年間の付加価値額のシミュレーション(予測P/Lのようなもの)を入力する必要があることが予想できます。
「中小企業省力化投資補助金」はいつから公募開始?
ポイント
- 2024年3月下旬公募開始予定
- 2024年6~7月に申請受付開始予定
3月14日に近畿経済産業局が行った「令和6年度当初予算・令和5年度補正予算関連施策説明会」によると。その中で中小企業省力化投資補助金は6~7月に申請受付開始とのことです。なお、R6年3月~R8年度まで、15回程度の公募を実施し、述べ120,000者を採択する予定のようです。1回の公募期間は2ヶ月程度で、事業実施期間は12ヶ月以内のようです。
「中小企業省力化投資補助金」の公募期間は?公募は何回あるの?
ポイント
- 15回程度の公募を予定
- 1回の公募期間は2ヶ月程度で、事業実施期間は12ヶ月以内のようです。
「「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局公募説明会資料」によると、R6年3月~R8年度まで、15回程度の公募を実施し、述べ120,000者を採択する予定のようです。1回の公募期間は2ヶ月程度で、事業実施期間は12ヶ月以内のようです。
「中小企業省力化投資補助金」の採択者数・採択率はどの程度なの?
ポイント
- まだ公募が行われていないので不明
中小機構「中小企業省力化投資補助事業に係る事務局の公募要領」によると、令和8年度9月末までに公募回数は15回程度、採択予定件数は計120,000件程度を予定しているようです。2年半で15回、120,000件だとすると、およそ2ヶ月に1回、1回の公募あたり8,000件の採択を予定しているということですね。
「中小企業省力化投資補助金」の採択率は、まだ公募が行われていないので不明です。
「中小企業省力化投資補助金」を申請してから交付決定されるまでのスケジュールは?
ポイント
- 2024年2月9日時点では不明
「省人化・省力化補助金(仮称)」の公募期間や公募回数は、2024年2月9日時点では不明です。ただし国の補助金のこれまでの例からみても、おそらく、応募締め切りから交付決定までは2~3ヶ月程度かかると思われます。
「中小企業省力化投資補助金」審査のポイント(審査項目)は?
ポイント
- 2024年2月9日時点では不明
- 補助事業終了後1~3年で付加価値額の従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%以上増加する計画の妥当性を見られると思われる
「中小企業省力化投資補助金」審査のポイント(審査項目)は、2024年2月9日時点では不明です。
ただし、補助事業終了後1~3年で付加価値額の従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%以上増加することが要件ですので、その計画の妥当性を見られると思われます。
「中小企業省力化投資補助金」の加点・減点項目はあるの?
ポイント
- 2024年2月9日時点では不明
「省人化・省力化補助金(仮称)」の加点・減点項目は、2024年2月9日時点では不明です。おそらく、政策に応じた、なにかしらの加点項目や減点項目が設けられると思われます。
「中小企業省力化投資補助金」の申請方法は?
ポイント
- 支援策をまとめたカタログを作り、そこから事業者に選んでもらうような利用しやすい仕組み
- 申請やその後の実績報告等は電子申請で行う
「支援策をまとめたカタログを作り、そこから事業者に選んでもらうような利用しやすい仕組み」を作る予定です。 おそらく従来の「IT導入補助金」のような申請手続きと酷似した方法だと思われます。事業再構築補助金やものづくり補助金のように、A4用紙で何枚も事業計画書を書く必要はないと思われます。
「中小企業省力化投資補助金」の申請書の書き方は?記入例はあるの?
ポイント
- 2024年2月9日時点では不明
「省人化・省力化補助金(仮称)」の申請書の書き方は、2024年2月9日時点では不明です。記入例も、2024年2月9日時点ではありません。
「中小企業省力化投資補助金」には補助金の返納義務があるの?
ポイント
- 正当な理由なく、付加価値額要件の目標を達成できなかったときは、補助金額の一部の返還
- 正当な理由なく、賃上げ要件の目標を達成できなかったときは、補助金額の減額
- 付加価値額要件が達成できなかったとしても、若干の救済措置はある
- 本事業の成果により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として一部返還(収益納付)
補助金の返還要件がたくさんありますので注意が必要です。付加価値額要件の目標を達成できなかったときは、補助金額の一部の返還というのは、おそらく中小企業庁関連の補助金では初めて設けられた要件だと思います。
「中小企業省力化投資補助金」のコンサルタントは誰がいいの?代行はできる?
ポイント
- コンサルタントの支援は不要
手続きとしては、省力化機器のメーカーや販売代理店と中小企業の共同申請です。メーカーや販売代理店がサポートをしてくれるはずですので、理屈の上ではコンサルタントの支援がなくても、設備のメーカーや商社等の支援だけで申請はできると思われます。
なお、コンサルタントに補助金申請の代行を依頼することは、この補助金に限らず、公募要領や法律に反する場合があります。補助金の申請は、自社が責任をもってやるようにしてください。
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更新履歴(2023/10/23以降)
- 2/9 初版公開
- 3/18 近畿経済産業局セミナーの情報を受けて、申請受付時期等を修正