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ブログ 環境法令

【法令解説】化学物質の管理って結局何をやらなきゃいけないの?(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

化学物質に関連する法律ってたくさんあるんですが、3回にわたり、そうした法律を全体的かつ横断的に説明したいと思います。2回目の今回は、化学物質の保管段階、そして製品の製造段階に関連する法律を見ていきます。

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【法令解説】化学物質の管理って結局何をやらなきゃいけないの?(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 化学物質に関連する法律ってたくさんあるんですが、3回にわたり、そうした法律を全体的かつ横断的に説明したいと思います。この連載を読んでい ...

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化学物質の保管段階に適用される法律:消防法

保管段階で考えなければならない法律について見てみまそう。まず消防法では、火災につながるような化学物質、例えばガソリンや灯油、そして切削油や洗浄剤などを「危険物」として定めています。

消防法では、貯蔵できる危険物の量が定められています。これを超えて危険物を貯蔵することもできますが、所轄の消防署から許可をもらわないといけません。決められた量以内でも、量によっては少量危険物として、消防署に届出をする必要があります。そして少量危険物であっても、条例で定められた技術上の基準を満たしたところで製造をしたり貯蔵をしたりしないといけません。なお、消防法は各自治体によって運用基準が異なりますので、法律だけではなく、必ず自社が所在する自治体の条例などを確認する必要があります。詳しくは消防本部や消防署に確認をしてください。

化学物質の保管段階に適用される法律:毒劇法

続いて毒劇法です。毒劇法では、人の体の中に入って短い間で、発症・死亡に至る化学物質を毒物や劇物と定めています。板金加工業や機械加工業だと、安価なメタノールを洗浄剤として使うような場合があるかもしれませんが、メタノールは劇物に指定されています。

こうした毒物や劇物は、法で定められた保管や管理をしなければなりません。具体的には、鍵のかかるような専用の場所で、所定の表示を付けて保管して、管理簿を付けて管理するような運用が必要です。

毒物や劇物が漏洩したり紛失したりすると、ニュースになるくらいの大事件となります。厳重な管理をしてください。

化学物質の保管段階に適用される法律:高圧ガス保安法

続いては高圧ガス保安法について説明します。高圧ガスとは、強い圧力のガスや、ある温度でその圧力になるガスのことを言います。レーザー加工機のレーザーガスやアシストガスが高圧ガスに該当します。こうした高圧ガスは爆発や酸素欠乏、凍傷、火災などの危険があるので、法に基づいた管理が必要です。

まず処理量、貯蔵量に応じて、都道府県の許可や届出が必要です。また圧力や漏洩の有無などの日常点検も義務付けられています。使用しているガスの種類にもよりますが、貯蔵方法についても法の定めがあります。(上記の図に書いている保管方法は、酸素等の可燃ガスの場合の貯蔵方法です)

製品の製造段階に適用される法律:労働安全衛生法

製造段階で主に関係するのは労働安全衛生法です。化学物質を使った仕事を行なうときに、化学物質が体についたり、吸い込んだりして、ケガや病気にならないよう予防をすることを求めている法律です。

労働安全衛生法での化学物質管理はたくさんあります。特に最近は、管理がきつくなる傾向にあります。労働安全衛生法では、4つの主要な義務があります。まず、「管理体制づくりと教育」です。これは、化学物質管理者や保護具管理責任者を選ぶことが義務付けられています(保護具管理責任者は、リスク対応策として保護具を使うと決めた場合)。また、従業員の雇入時・配置転換時の教育や、職長(現場リーダー)に対する安全教育を行うことも義務です。

次に、「情報の伝達」です。これは、SDS(安全データシート)を提示したり、危険有害性のラベル表示を行ったりと、労働者に適切な情報を提供することを求めています。

3つ目は「リスクアセスメント」で、化学物質の危険性を評価し、その結果を記録・保存することを求めています。リスクアセスメントは馴染みがなく、考え方を理解するのが最初のうちは難しいのですが、厚生労働省からCREATE-SIMPLEというリスクアセスメントツールが公開されています。こうしたツールを使うと、比較的簡単にリスクアセスメントができますので、活用してみてください。

最後に、「リスクへの対策」があり、労働者が化学物質に触れるリスクを減らしなさいと言っています。具体的には濃度基準値の遵守や保護具の着用、作業環境の改善が含まれます。

また化学物質のうち、特に危険性・有害性の高いものは、有機則・特化則というルールで更に厳しく規制されています。具体的には、作業主任者を設置したり、特殊健康診断(通常の健康診断に加えて行う健康診断)、作業環境測定などをする必要があります。

明日は化学物質による環境汚染を予防し、改善するための法律、化学物質の廃棄段階に適用される法律、化学物質に関する海外の規制について説明します。

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