おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
マネジメントレビューをどう運用するべきかという質問をよく受けることがあります。確かにマネジメントレビューは審査対策として形骸化しているケースもよく見ます。効果的な運用方法について考察していきます。
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【マネジメントレビュー レベルアップ講座】 形式的にならない効果的なマネジメントレビューとは?(1)
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マネジメントレビューは年1回でじゅうぶんなのか?
前回は、マネジメントレビューとは、マネジメントシステムの適切性、妥当性、有効性、戦略的方向性と一致しているかどうかを確認し、軌道修正する場だという話をしました。こうした確認や意思決定をするのがマネジメントレビューですが、これを年に一回、年度末にやりますというので、果たして十分でしょうか?
前回の例だと、年一回しかレビューしないのであれば、パートやアルバイトへのトレーニング不足の状態が、長い間放置される可能性があります。したがってマネジメントレビューの本来の目的(マネジメントシステムの適切性、妥当性、有効性、戦略的方向性と一致しているかどうかを確認し、軌道修正すること)を考えると、やはり年1回では足りないのではないかという気がします。
日常的なマネジメントレビューと総括的なマネジメントレビューの使い分け
そこで、臨時のマネジメントレビューを実施するとか、日常業務のなかや、月例会議などでトップに報連相をして判断を仰ぐことも、「日常的な」マネジメントレビューと捉えて、実施するほうが良いのではないかと思います。
ただし、規格では「あらかじめ定めた間隔で」マネジメントレビューを行い、記録を残すことを求めています。このため、日常の報連相のレベルまでも逐一記録するかどうかというのは悩ましい問題ですよね。
そこで一案としては、日常的なマネジメントレビューもやるけれども、年に1回のマネジメントレビューを、そうした日常的なレビューの総括として位置づけるという方法があるかなと思います。
日常的なマネジメントレビューでは、規格のインプット・アウトプット項目を議題に設定しておき、例えば「今月のプロセスのパフォーマンス情報」や「今月の不適合・クレーム情報」などを、定例会議などで取り上げます。これにより、必要な情報が速やかにトップに共有されて、意思決定を仰ぐことができます。
また、年1回の総括としてのマネジメントレビューでは、「年間のプロセスパフォーマンス情報」や「年間の不適合情報」、さらには過去数年間のこうしたパフォーマンス情報の推移のような分析データなどをトップに報告して、より全体的なマネジメントシステムの見直し判断を仰ぐような場にする、というイメージです。この年一回の総括マネジメントレビューの議事録を定期審査の記録として扱うことで、規格要求事項も満たすし、審査対策にもなるし、現場での問題についてもタイムリーに手を打つことができるでしょう。