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デミング博士「マネジメントのための14原則」再訪(3)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

デミング博士「マネジメントのための14原則」を読み直しています。ただ読むだけではなく、2020年代の現代の考え方や最近の経営理論と比べてみたりもしたいと思います。今回は第3原則です。

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デミング博士「マネジメントのための14原則」の第3原則

③品質確保のために検査に頼るのを止めよ。最初から品質をつくり込むことによって、大量生産型の「まとめてつくって、まとめて検査する」という検査の必要性をなくせ。

これはいわゆる「品質は工程で作り込む」という、トヨタの品質管理(またはTQC、TQM)でおなじみのやつですね。

要は、モノを作って検査ではねるようなことをするのではなく、最初から不良がでないように各工程でしっかり仕事をするということです。理想は「検査をしない」ようなものづくりをする、ということでもあります。

それを具体的にどう実現するかというと、例えば①不良がでないような設計にする、②不良がでないような設備に更新・維持する、③自工程の作業標準をひたすら守る、というような取り組みをすることですね。一発でこの①~③ができるはずもないので、なにか悪さが生じたら見直し、そしてまた工程を回すの繰り返しを愚直にやるというものです。

デミング博士も第3原則については「品質向上は検査から来るのではなく、製造プロセスそのものを良くすることによって実現される」と言っています。

ただしデミング博士いう「検査に頼るな」は条件つきのもの

ただしデミング博士は「検査を全くやめてしまえ」などと過激なことを言っているわけではありません。例外として、IC(集積回路)製造のことをデミング博士は挙げています。半導体は、他の工業製品と比べて歩留まり率が低いことは有名で、製造時の各種パラメータのばらつきや、微細な塵芥の混入など、製品を製造するにあたっての障害を完全に排除することが今の技術でもできません。ですので、半導体テスタでの検査に頼らざるを得ないのですね。

また、原則3をよく読むと「大量生産型の検査に頼るな」と言っています。ここでいう「大量生産型の検査」とは「まとめてつくって、まとめて検査する」ことを意味しています。この方法では、生産後に不良品が発見された場合、その時点での損失が大きく、手戻りや再作業が発生する可能性が高いため、効率が悪くなることを問題視しています。

じゃあ、なんだったら検査をしてもよいのかというと、一つは工程内検査でしょうね。工程内検査だと、問題が発生した時点で即座に修正が可能で、不良が後工程に流れることもありません。

そしてデミング博士が強く主張するのは「検査を統計的品質管理に移行しろ」ということです。

統計的品質管理(SQC)とは

統計的品質管理とは、例えば工程の中でランダムにサンプリングを行い、統計的手法を用いて製品の品質や工程の安定性を評価することです。これにより、全数検査を行うことなく、工程の異常や製品の不良の兆候を早期に発見できるというメリットがあります。

デミング博士は「統計的に管理された状態を実現し維持するために少量の抜き取り検査を行って管理図にプロットしていくのは、ルーティンワークとは一線を画すプロフェッショナルな仕事になりうる」と言っていますね。

統計的品質管理手法というと、一般的には管理図やパレート図、ヒストグラムなどのツールを使った分析を指します。QC7つ道具とか、新QC7つ道具で有名ですね。デミング博士は「ランチャート」という、観測データを時系列で表示するグラフのことによく言及をします。

最新の統計的品質管理(SQC)手法はなにかあるの?

最新技術を活用した統計的品質管理手法としては、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を利用した高度なデータ分析とプロセス改善が含まれるでしょう。

例えばAIを使った事例をちょっと調べて見ると、刃具の摩耗による不良発生を防ぐために、刃具にかかる力や振動量から刃具の摩耗量をAI予測する取り組みがヒットしました。

IoT(モノのインターネット)も統計的品質管理と相性がよさそうですね。 IoTセンサーが工場内の設備などに取り付けられ、リアルタイムで品質データを収集できますし、収集したデータはAIやビッグデータ解析ツールによって即座に解析可能ですね。

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