ISO45001:2018 9.1.2 順守評価をおろそかにすると恐ろしいことに(3)

おはようございます！マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO45001:2018各箇条解説シリーズ、箇条9.1.2『順守評価』について、その目的や具体的なステップを解説していますが、最終回の今回は、順守評価表のサンプルをお見せしたいと思います。

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前回までの記事はこちら

労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)における順守義務評価表サンプル

ISO45001:2018の箇条9.1.2では、法的要求事項及びその他の要求事項に対する順守状況を体系的に評価し、記録することが求められています。この記録はどのように作ればよいでしょうか。

以下の表は、労働安全衛生マネジメントシステムにおいて、組織が順守すべき法的要求事項およびその他の要求事項を評価するための「順守義務一覧・評価表」のサンプルです。

表の構成と内容

この表は、以下のような項目で構成されています。

分類

法的要求事項なのか、その他の要求事項（顧客要求事項や、利害関係者との取り決め）なのかを区別するものです。

順守義務の名称

この列には、関連する法規制や基準の名称が記載されています。たとえば、労働安全衛生法や規則、施行令、その他通達などが該当します。これにより、組織はどの法的要求事項が対象になっているかを特定できます。

関連部門・危険源

この列では、どの組織や作業場所の、どの業務に対して該当する法規制が適用されるかが記載されています。これにより、組織は具体的な業務や作業場で適用される規制を把握し、適切な対応を行うことが可能です。

主な規制・要求事項

この列では、順守すべき具体的な内容が記載されています。たとえば、安全基準や特定の作業に関する規則の順守が求められている場合、その内容がここに明記されます。また、法的根拠となる法的文書や規則の具体的な条文や項目が記載されていると、どの法規制に基づく義務かが明確になります。

評価タイミング

この列には、評価が行われるタイミングが記載されています。これにより、どの時点で評価を行うかが明確になり、定期的な評価サイクルが確立されます。

順守評価結果

評価を行った日や、評価の結果（結論）、そして何をもってその評価を下したかという根拠（主に文書名など）を記録する欄です。

順守評価表を使う意義

ISO45001:2018の規格要求事項では、組織は以下の点を満たしなさいと要求しています。

• 順守評価の頻度と方法の決定：組織は、順守評価をどの頻度で行うか、またその評価方法を決定し、それに基づいて評価を実施します。評価が適切なタイミングで行われることにより、継続的な順守が確保されます。
• 順守状況の文書化：順守評価の結果は、文書化した情報として保持されます。この表自体が、その文書化した情報の一部であり、組織はこれを用いて順守状況を継続的に監視し、必要に応じて改善を行うことができます。

この順守評価表は、こうした要求事項に対して適切に対応しているかどうかを証明する重要なツールと言えるでしょう。そしてこの評価の結果、評価の結果、順守していない箇所が見つかった場合には、是正処置を講じる必要があります。この表は、評価結果に基づいて適切な是正処置を取ること必要かどうかを判断するツールとも言えますね。