おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村です。
冬季休業中の集中講義「ISO42001ざっくり解説」です。今日は箇条10「改善」についてざっくり説明します。
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10.1 継続的改善
箇条10は、いわゆるPDCAサイクルにおけるA(改善)に該当する箇条です。
その中でも箇条10.1「継続的改善」は、AIマネジメントシステムの適切性、妥当性、有効性を向上させ、システムのパフォーマンスを高めるために必要不可欠な活動です。ここでいうパフォーマンスとは、「エラー率低減」や「ユーザーから肯定的な評価の獲得」といった、システム運用の成果や結果を指します。これを実現するために、地道に小さな改善を積み重ね、着実にステップアップしていくことが求められます。
規格では、適切性、妥当性、有効性の3つの観点から改善を要求しています。それぞれの意味は以下の通りです。
- 適切性: 組織の規模や目的、事業内容に合った仕組みであること。過度に複雑すぎたり、逆に簡略化しすぎて管理が不十分な場合は適切性が不足しているといえます。
- 妥当性: 意図した成果に対して十分な取り組みがなされていること。例えば、リスク管理が形式的で、実効性を欠いている場合は妥当性がない状態です。
- 有効性: 意図した成果が実際に得られていること。「活動はしているが成果が出ていない」場合、有効性が欠けていると判断されます。
AI技術や事業環境が日々変化する中で、これらの要素を継続的に改善することは、競争力の維持とリスク回避に直結します。継続的改善は、システムの適応力を高め、組織の目標達成を支える重要なプロセスです。
10.2 不適合及び是正処置
不適合(規格や社内ルール違反、顧客要件の未達成、または顧客や社会からのクレーム・批判等)が発生した場合、組織は速やかにその不適合を管理し、是正するための対応を取らなければなりません。この際、不適合の影響を最小限に抑えるとともに、その原因を特定することが求められます。
さらに、不適合の再発や他の場所での発生を防ぐために、特定した原因に基づいて必要な再発防止策を講じ、その有効性を確認することが重要です。このプロセスにより、同様の不適合が組織全体で繰り返されるリスクを軽減できます。
また、不適合、講じた処置、その結果に関するすべての情報を文書化する必要があります。これにより、是正措置の実施状況やその効果を客観的に確認し、記録として管理することが可能になります。
必要に応じて、不適合の防止と管理の仕組みをさらに強化するために、AIマネジメントシステムそのものを見直し、変更を加えることが求められます。これにより、システムの適切性、妥当性、有効性が向上し、継続的な改善が促進されます。