おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
今日は内部監査レベルアップ講座として製造業の現場の内部監査のポイントを解説したいと思います。不良やクレームを大幅に減らすための具体的な現場監査ノウハウをサクッとおわかりいただけます。製造現場、検査現場、倉庫の3箇所をピックアップし、モノづくりの現場ならではの監査ポイントをしっかり押さえます。今回は、これら3現場共通の内部監査のポイントを解説します。
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箇条7.1.3 インフラストラクチャの内部監査ポイント
共通の内部監査ポイントの1つ目は、機械・装置等のメンテナンスをしているか、工具・治具等が適切な状態であるかを確認することですね。もちろん、どの程度のメンテナンスが必要で、どういう状態が「適切な状態」なのかは、会社によっても仕事の内容によっても異なるでしょうが、要はインフラストラクチャの維持のプロセスが機能しているかを確認するということですね。
箇条7.1.4 プロセスの運用に関する環境の内部監査ポイント
作業環境に条件がある場合 それを守っているかというのもポイントです。例えば精密な部品を検査するときは、測定室や測定器、物体の温度管理が必要な場合があります。そうした場合に、決められた条件を守っているか、ということですね。
箇条7.1.5 監視及び測定のための資源の内部監査ポイント
測定器に関しては、不適切な状態で使用されていないかも確認したいですね。不適切な状態とは、損傷や摩耗などがすぐ思いつきますが、その他にもゼロ点調整やゼロリセットなどをせずに使用してないか、というのも該当しそうですね。
これも必要な場合ですが、測定機器のトレーサビリティを確保するという決まりになっている場合は、ちゃんと校正をしているかはもちろんですが、校正記録はあるか、校正記録から国家計量標準などにつながっていることが確認できるか等をチェックします。
箇条7.2 力量の内部監査ポイント
力量ある人が作業をしているかも確認のポイントです。具体的には、作業記録や検査記録、または作業者をやっている人の名札などを現場で見て、あとで会議室に戻って力量評価表を確認する、というようなやり方がありますね。
箇条7.5 文書化した情報の内部監査ポイント
続いては文書管理です。必要な人が必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した状態であるかということですが、例えば検査をする時に、作業者が検査基準書をすぐ参照できるようなところに置いているかということですね。
文書が保護されているかどうか、つまり汚れや破れで、読みづらくなっていないかというのも、文書の確認のポイントです。
現場にある手順書や規程類、記録の様式が最新版かどうかもポイントです。例えば現場においている手順書や規程、記録のバージョンを見て、あとで会議室に戻って、文書管理台帳などで、それが最新版かどうかを確認するというやり方があるでしょう。
記録の改ざんを防ぐ手立てがあるかも確認したいですね。具体的には、記録の保管場所はどこか、記録にアクセスできる人が限定されているかなどでしょうか。検査記録を改ざんするということは、よく聞かれる企業不祥事の一つですからね。
箇条8.1 運用の計画及び管理の内部監査ポイント
作業の変更があった場合、変更内容や注意点等が作業者にどのように伝えられているかも、確認できればしたいですね。変化点管理ボードなどを置いている場合は、ボードの現物を確認することができますが、そうした管理ボードがなければ、ヒアリングなどで確認したいですね。
箇条8.5 製造及びサービス提供の内部監査ポイント
現場でヒューマンエラー(うっかりミス)について、何か対策を取っているかも確認のポイントです。これは現場を見るだけではわからないと思うので、その現場管理者や作業者に「うっかりミスを防ぐためにしている工夫はありますか?」などと質問するのもよいでしょう。
続いては識別とトレーサビリティです。識別とはつまり、ロット番号管理やシリアル番号管理のことで、トレーサビリティとは、その製品の製造や検査の記録をたどれるかということです。これも必要な場合に限定されますが、識別は例えば製品のラベルや刻印、梱包を見て、作業指示書にあるロット番号やシリアル番号が正しく刻印・印字・表示されているかという確認ができそうです。またトレーサビリティについては、現場の仮置き場や倉庫などにある製品のロット番号を見て、そのロットの製造記録や検査記録、出荷記録がたどれるかなどを確認することができるでしょう。
続いては外部…例えば顧客や協力会社から預かっているものや書類がある場合のチェックですね。預かっているものに表示をつけて識別をしているかとか、なくなったり壊れたり破れたりしないように保管しているか、という点を確認します。
箇条8.7 不適合なアウトプットの管理の内部監査ポイント
各工程では、不適合品が出る可能性がありますが、不適合品が適合品(良品)と混在しないように、識別されているかというのも確認したいですね。一般的には不良品置き場として赤箱を現場に置いているケースが多いですが、そうした識別方法がルール通りに運用されているかというのが具体例です。