おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISOの外部審査で不適合になるのってイヤですよね。どういうポイントに外部審査員が注目するのかがわかると、そこを強化できるのに……ってお思いの管理責任者の皆様に朗報です(外部審査のために準備するというのは本末転倒ですが)。今回の連載では、ISO9001の外部審査でよく不適合になる箇条を紹介したいと思います
スポンサーリンク
前回の記事はこちら
-
-
【データで見る】ISO9001の外部審査でよく不適合になる箇条トップ10(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ISOの外部審査で不適合になるのってイヤですよね。どういうポイントに外部審査員が注目するのかがわかると、そこを強化できるのに……ってお ...
続きを見る
おことわり
この記事は、DNV GLが公開しているISO 9001 Top 10 Finding in 2019: Practical Actions For The Futureという資料に基づいて考察をしています。
皆様の実感と異なる部分があるかもしれませんが、DNVの認証対象組織である世界各国12,250社程度への監査実績をもとに分析したデータであり、特定の業種だけのものではなく、世界各国のいろいろな業界の情報をまとめたものです。
【不適合第1位】 8.5.1「製造及びサービス提供の管理」
名誉ある?不適合第1位に輝いた箇条8.5.1は、どういう点で不適合と判断されるケースが多いのでしょうか。審査員が不適合を見つける具体的な場面として、たとえば作業指示書がきちんと書かれていなかったり、工程の管理が決められた通りにされていなかったりするケースだと、DNVの報告では述べていますね。
箇条8.5.1は、元をただせば箇条8.1(運用の計画および管理)で、業務の流れをきちんと管理できていないこと・または不十分であることが根本原因である可能性がありますね。
【不適合第2位】 7.1.5「監視及び測定のための資源」
測定や校正に関する箇条7.1.5も、不適合あるあるですよね。個人的な実感を言うと、現場でしつこく測定機器を確認すると、だいたい1個くらいは校正漏れの測定機器が見つかるものです。これは、受審側の組織が徹底的に校正管理をしたと思っていても、漏れがどこかで発生する、品質管理の鬼門でもあると思いますね。
校正漏れの測定器を使っているというほかは、校正の記録を残していなかった(不十分だった)というケースですかね。そうした不適合の背景には、測定器管理の仕組みがきちんと確立されていないということですね。
【不適合第3位】 7.2「力量」
力量や教育訓練に関する箇条7.2も、よく審査員に目をつけられる?箇条ですね。これはやはり、従業員が仕事に必要な知識やスキルを持っていることの証拠(スキルマップや訓練記録など)がないこと、または適切にアップデートされていないことあたりでしょうかね。
あとは新人や派遣・契約社員・技能実習生のスキル評価がされていないというのも、よくあるパターンです。
スキル判定の基準が明確ではない、というのも審査でよく目に付くポイントですが、これは不適合になるというよりも推奨事項(観察事項)かな。
【不適合第4位】 8.1「運用の計画及び管理」
箇条8.1は、例えば量産品の製造をしているようなラインではQC工程表や、日々の生産指示などが該当します。また一品一様の製品の場合は、その製品固有のプロジェクト計画などが該当しますね。
これがどういう場合に不適合になるかというと、新製品の製造や、もしくは既存製品の生産工程の変更の際に、こうした計画が確立・更新されていないということだとDNVの資料では指摘をしています。(要は変化点管理の一つですね)
また8.1は、箇条6で特定したリスクや品質目標を、製造計画の中に落とし込むことを要求していますので、そうしたものが考慮されていないというのもありそうです。(リスクが8.1に落とし込まれているかというのは、ぼくが審査をするときに着目するところでもあります)
次回に続きます。