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ISO42001:2023 5.3 「それ 誰の仕事?」混乱を避けるためにトップがすべきこと(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO42001各箇条解説シリーズ、今回は箇条5.3「役割・責任・権限」について解説します。

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役割ごとの責任・権限を決める

規格が要求している「役割ごとの責任・権限を決める」ということについて見てみましょう。

具体例を使って説明をします。

まず「トップマネジメント」です。その責任は、AIプロジェクト全体の方向性を定め、監督することなどがあります。そして、その権限として、組織全体を見て、GOサインを出すことなどがありそうです。組織として、トップの配下にいろいろ担当者はいると思いますが、今回は例として「データサイエンティスト」と「法務担当」を取り上げます

「データサイエンティスト」の主な責任は、AIの学習に必要なデータを収集・分析することです。そして、その責任を果たすために、どのデータやAIモデルを選ぶかという権限が与えられています。一方、「法務担当」の責任は、AIの利用が法律ガイドラインなどにきちんと準拠しているかを確認することです。もし問題があれば、計画の見直しや一時停止を指示する強い権限を持っています。

このように、それぞれの役割に応じて、果たすべき「責任」と、その責任を果たすために必要な「権限」が明確に定めることを、規格は求めています。責任と権限をセットで定めることで、各担当者は安心して自分の役割を果たすことができますし、「誰が何をしているかわからない」というような組織的な混乱も防ぐことができます。

全体が機能しているかを見渡す管理者役を決める

先ほどは、役割ごとに責任・権限を決めるということを説明しました。 しかし、それだけでは十分ではありません。各担当者がそれぞれの責任を果たす一方で、AIマネジメントシステムという仕組み全体が、きちんと機能しているかを見渡す管理者役を決めることを、規格は求めています。

それが、このようなイメージですね。

規格では、特に重要な2つの責任を、必ず全体の管理者役に割り当てるよう求めています。

一つ目は「規格要求事項への適合を確実にする」という責任です。 これは、私たちが作ったAIマネジメントシステムが、ISO 42001のルール通りに運用されているかを常にチェックする、いわばシステム全体の“品質管理者”のようなイメージです。

そして二つ目が「パフォーマンスをトップに報告する」という責任です。 このイラストのように、システムの運用状況や成果、課題などを定期的にトップマネジメントへ報告し、経営判断を助ける重要な“パイプ役”となります。こうした管理者役に、責任を果たしてもらうことで、AIマネジメントシステムは形骸化せず、常に改善され続けていくということです。

まとめ

はい、というわけで、箇条5.3「役割・責任・権限」について解説しましたがいかがだったでしょうか。

AIを安全に活用するためには、技術だけでなく、こうした「組織のルール作り」が重要だというお話でした。今日の論点をまとめると、トップが最終責任を持って、各担当の責任と権限をセットで決めなければならない、ということでしたね。この「責任と権限の明確化」が、AIプロジェクトを成功に導く土台となりますので、しっかりとやっていただきたいですね。

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