おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
IT導入補助金の第三次公募が9月12日より始まりました。11月6日の公募終了まで2ヶ月弱の公募期間ですが、当補助金に関する予算はまだまだ潤沢に余っているようで、かなり高い採択率が期待できます。
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IT導入補助金とは
IT導入により生産性向上を図る中小企業を対象に、IT導入に対する費用を補助する制度です。補助上限額50万円、補助率は1/2です。
詳しくは下記のリンクをご参照ください。
三次公募と、それ以前の公募の主な違い
この度受付が開始された三次公募は、それ以前の公募(一次公募および二次公募)と次のような違いがあります。
週1回、審査・採択発表を行うスタイル
三次公募では採択発表は週1回行います。水曜日までに登録申請があったものかつ不備のないものを翌々日の金曜日に採択発表するというスタイルです。(ただし不備あるいは申請内容に疑義が生じるものについてはこの限りではない)
一次公募、二次公募では、全ての申請をいったん締め切ったのちに審査、採択発表をするという方式でしたが、小分けにして発表するようです。いわばバッチ処理というか、小ロット生産ですね。
報告制度の緩和
IT導入補助金では、ITを導入したのちにどの程度生産性が向上したかという事後報告義務がありました。5年間にわたり、毎年、事務局に報告をすることが全ての採択事業者に対する義務でしたが、これを3年後の1回に短縮。しかも全採択事業者ではなく、一部の事業者のみに求めるように、義務を緩和しました。これは、一次公募と二次公募の採択事業者にも遡及して適用されるようです。
義務を緩和した理由は、日経BPの記事によると下記の通りです。
「事後報告に関する負担が重いという声が中小企業やITベンダーから多くあり、軽減する方向に変更した」(経産省サービス政策課)という。
予算は潤沢。残り250億円程度?
IT導入補助金は、平成29年度補正予算で行われている事業ですが、もともと本事業のために確保された予算は500億円です。この補助金は、全国で約13万社に交付することを目的として実施されていますが、二次公募までの交付決定企業合計は20,881者ですね。目標交付企業数に対して15%程度しか採択が行われていません。
ということは、予算も潤沢に余っているはずです。実際、8月29日に中部経済産業局の担当者が「IT導入補助金の予算は、まだ半分くらい残っている」と、愛知県中小企業診断士協会が主催した理論政策更新研修の場で発言をしていました。
半分残っているとすれば、残りの予算は250億円です。1事業者当たりの交付上限額が50万円ですから、単純計算で5万社に交付可能なはずです。しかし過去2回の公募で2万社程度しか採択できなかったのに、この3次公募で5万社に交付するなど無理なことです。交付できたとしても合計7万社にとどまり、当初見込んでいた13万社への交付は未達になるのが確実です。上述のとおり、報告義務の緩和がこの三次公募とともに発表されましたが、これは公募が予定通りいかず不調に終わりそうなので、意欲喚起のために緩和を行ったと想像するのは邪推でしょうかね。
このような状況のため、三次公募でもかなり高い採択率が期待できるでしょうが、その反面、当補助金施策の見通しが甘かったことが露呈された場合、来年度以降は予算削減など大幅な制度改定が行われる可能性もありそうです。