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補助金申請をコンサルに丸投げするのはもったいない

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

補助金の申請支援を当社のようなコンサルタントに依頼する企業もたくさんありますが、単に丸投げをするのは組織管理上でもたいへんもったいないことだと思います。今日は補助金申請を通じて、経営者の思いを社員に伝えることができた会社の事例をお伝えしたいと思います。

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新しい事業(農業)に急に取り組みはじめた経営者

ある小売業者でのお話です。その小売業者は、ほとんどの商品を商社や卸から輸入して店頭に置くという、いわゆる普通の小売業者でした。商品の中のいくつかは、自社が商社と共同で開発したオリジナル商品もありましたが、基本的には仕入れて売る、というシンプルな商売です。

ところがその会社の社長が、急に農業を始めました。それは会社をあげて農業に参入したというわけではなく、社長自身が週のうち数日を農業に費やすようになっただけで、別段その企業の事業が大きく農業に舵を切ったというわけではありませんでした。ただ、従業員からすると「社長は急に農業を始めてどうしたんだ!?」という気持ちで受け止められていたそうです。

社長が育てた農作物を利用した、新しい食品づくりに補助金を申請することに

社長が農業にかかわるようになって1年くらいして、社長は「自分が育てた農作物を利用して、これまでにない新しい食品を作りたい」と思うようになりました。そのために補助金を活用しようと思った社長。そこで縁があって、僕に連絡をいただき、お話を聴くことになりました。

僕が社長にお話を聴くと、社長は次のようにおっしゃっていました。

「私は小売業としての当社はこのままではいけないと思っています。単に仕入れて売るという商売では、いずれ当社は行き詰ります。当社の最大の強みは、購入する消費者に一番近いところで仕事をしているということです。消費者のニーズをダイレクトに感じる当社が主体となって商品開発をしていかなければ、これからの少子高齢化社会や多様化する市場に、迅速に対応ができません。」

社長が熱心になっている農業との関連を聴くと、

「私はずっと何十年も、どうすれば当社が主体となって商品開発できるのかということを考え続けていました。当社は小売業ですから、モノを作るということにノウハウがありません。まずはそこから始めなければと思い、いろいろと思案した結果、農業に行きつきました。でも最初からこういうことに従業員を巻き込むわけにもいきません。まずは私一人が本気になって農業を始め、目途が経ったら従業員に話したいと思っていたのです。今、ようやく農業で目途がたち、その作物を使った新しい食品づくりのプランができたところです」

とのことでした。僕はその社長の言葉に、自社の経営に対する深い思いや、なんとかやり遂げたいという熱意をひしひしと感じました。その反面、従業員の方の反応は「なぜ急に社長は農業を?」というものでした。

補助金申請に、核となる従業員を巻き込む

そこで僕が提案したのは、補助金申請の業務に、核となる従業員を巻き込みませんかということでした。せっかくの社長の思いを、補助金業務という作業を通じて、従業員に伝わるようにしようと思ったのでした。そこで総務の若い管理職に白羽の矢をたて、その総務の方を中心として、補助金申請書を作成するようにしたのです。僕は社長にお願いし、社長の考えを総務の方に伝えてもらうようにお願いしました。その後、補助金の申請書を記入する作業を、僕のサポートを受けながら、総務の若い管理職さんを中心に進めてもらいました。

ようやく完成をしたところ、総務の若い管理職の方は次のように語っていました。

「社長が農業を始めたと聞き、正直なところ『なぜ急に?』という戸惑いがありました。しかし今回の補助金申請業務をするにあたり、どういう背景で社長が農業に着手するようになったのかがわかりました。その上、これがどのように当社の新しいビジネスになっていくのかを、数字の上からでもシミュレーションを行い、これだったらもしかしたらイケるんじゃないか?という気持ちになりました」

そうして総務の若い管理職の方は、社長の思いをじゅうぶんに理解し、納得できました。納得できたので、今回の新しい事業を進める上での推進力にもなりました。結果、補助金は採択されました。採択されたという事実が、この総務の若い管理職の方を、さらに大きく動機づけたのは想像に難くありませんね。

補助金申請をコンサルに丸投げするのはもったいない

新しいこと、難しいことをするには推進力が必要です。社長一人でそれを成し遂げることはできません。補助金の申請は確かにややこしいですが、そこには新規性、実現性などを簡潔にまとめる必要があります。そのまとめるという作業を通じて、新しいこと、難しいことをする意味・背景を、従業員が理解する一助となったのでした。理解者が増えれば、推進力はそれだけ高まります。そのような効果も期待できる補助金申請業務を、「ややこしいから」とコンサルタントに丸投げをするのはとてももったいないと思います。

せっかくの社長の思いを伝え、それを具現化する道のりを、従業員に具体的にイメージさせるよい機会だと、この会社の支援経験から、僕も思うようになりました。もちろん補助金でお金をもらえるのはうれしいことでしょうが、それ以上に組織に社長の思いを伝えるよい機会だと捉え、従業員を巻き込みながら進めることが、補助金の効果をさらに高めるよいチャンスだと思います。

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