おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
先日、当社のブログで、行政手続きの電子化などで補助金の事務処理が軽減するのではないかと紹介をしました。それに関連する新しい情報を見つけました。それによると、補助金や助成制度以外にも経営力向上計画の認定なども電子化で行政手続きが簡素化するかもしれません。
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各省庁で取り組む「行政手続きコスト削減のための基本計画」
各省庁では「行政手続きコスト削減のための基本計画」というものを立てて、事務処理の簡素化に取り組んでいます。その中でも中小企業庁は「補助金の手続き」の簡素化に取り組んでいるということは、以前下記の記事で紹介をしました。
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来年度(平成30年補正・平成31年度当初)のものづくり補助金は、事務処理がかなり簡素化する!?
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ものづくり補助金にチャレンジしたことのある企業の方ならおわかりでしょうけど、事務処理がとても大変ですよね。しかし、ものづくり補助金の事 ...
具体的には、①提出方法の電子化、②同じ情報の入力は一度だけ(ワンスオンリー)、③書式・様式の統一、を原則として取り組んでいるのだそうです。
中小企業庁に設置されたデジタル・トランスフォーメーション室の取り組み
11月12日に公開された経産省の記事(METI Journal)によると、中小企業庁では、これらの手続き簡素化を「デジタル・トランスフォーメーション室(中企庁DX室)」が中心となって行っているのだそうです。
この記事では次のようなことが書かれています。
中小企業庁に設置されたデジタル・トランスフォーメーション室(中企庁DX室)が中心となって、現在推進するのは簡素な行政手続きの実現だ。中小企業が関わる施策は、補助金や助成制度以外にも経営力向上計画の認定など多岐にわたる。一つのサイトに行けば行政手続きが完結する「ワンストップ」や、異なる手続きによって、何度も同じ情報を入力させるのではなく、一度の入力で済むようにする「ワンスオンリー」の実現を目指している。
なかなか微妙な書き方ではありますが、補助金・助成金だけではなく、経営力向上計画もオンラインでの申請が可能になる可能性があるようですね。先端設備等導入計画もそうなってほしいものですが、先端設備等導入計画は受付窓口が各自治体であることから、経産省・中企庁の手続き簡素化策には当てはまりそうにはないですね。
また、次のようなことも当該記事に書かれていました。
通常の補助金は、事業者が書類を郵送した後、事務局が内容を手動で入力。書類に不備があれば再提出を依頼しなければならず、採択までの時間が伸び、担当者、事業者の双方にとって大きな負担となっていた。手続きの簡略化やデジタル化によって手続きの効率化が期待される。
これは某都道府県の中小企業団体中央会が、同じようなことを話していました。ものづくり補助金の申請書は、そのひとつひとつを事務局の担当者が手動でシステムに入力しなおしているのだそうです。これを聞いたとき、正直驚きました(そして、システムへの入力期限も中央のほうから定められており、それを順守するために各都道府県の中小企業団体中央会は大変な思いで入力をしているとも聞きました)。
このような行政側での非効率が是正されるのであれば喜ばしいことですね。
IT導入補助金申請の仕組みが、電子化の先行例?
METI Journalの記事には、IT導入補助金の申請の仕組みが、電子化の先行例であるというような記述もありました。
すでに一部制度で、こうした取り組みが始まっている。例えば中小企業の生産性向上を後押しする「IT導入補助金」。専用のサイト上で事業者がアカウントを発行し、「マイページ」から申請できるようにした。この結果、書類の郵送は不要になった。
申請のプロセスにとどまらず、設問の数は最低限に絞り、基本的には選択式にするなど入力内容も簡略化。申請の負担を削減した。申請時の記入漏れや記入ミスはシステムで自動検知することで、窓口での面倒なやり取りを少なくすることができる。申請内容の入力段階で不備があればアラートが表示されることで、これまで3割程度だった申請内容の不備率は1割程度まで削減。その分、公募締め切りから交付決定までの期間が短縮され、通常よりも短い期間で採択につなげられるといった効果が上がっている。
確かにIT導入補助金は今年から完全にオンラインでの申請で完結するようになり、かなり事務処理負担が軽減された印象があります。どうもこれは、一連の補助金等行政手続き簡素化の先行した取り組みだったようですね。
IT導入補助金と同等の仕組みが、ものづくり補助金や経営力向上計画にも適用されるというイメージになるのでしょうかね。