おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
業務上の理由があり、iPhone XSを購入しました。香港の通信事業者である3香港(3HK)のeSIMサービスをローミングで使い、simスロットには従来から契約しているソフトバンクの通話し放題(データ通信なし)を挿入することで、DSDSすることができました?
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なぜiPhoneでDSDSをしたかったか?
僕は業務用に2つの電話番号をもっています。ひとつは固定電話の番号(078の市外局番から始まるもの)と、もうひとつは携帯電話の番号(080から始まるもの)です。固定電話の番号は、実は03PlusというバーチャルPBXのサービスを利用しているので、インターネットに接続しているスマホであれば固定電話の番号の着信を受けることができます。
ところがこの03Plusの動作確認機種は限りがあります。最も対応が早いのがiPhone(iOS)です。しかしこれまで、iPhoneはDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応していませんでした。したがって(いろいろと他にも事情はありますが)、これまではiPhoneとAndroid機の2台持ちをしなければならなかったのです。これにはいろいろな不便がありました。
ところが、iPhone XSでは、ひとつの契約はeSIMに限定されますが、DSDSの運用が可能になりました。そこでさっそくiPhone XSでDSDSを試してみようと思ったわけです。
3香港(3HK)とは
香港の通信事業者ハチソンテレコムのモバイル部門です。ハチソンテレコムは、香港でも老舗の通信事業者です。僕もかつては国際通信の世界で働いていたので、ハチソンのことはよく知っています。ハチソン・グループはかの有名な香港の大富豪である李 嘉誠の長江実業グループでもありますね。李 嘉誠の息子であるリチャード・リーがPCCWという香港最大の通信事業者のトップでして、丸の内にあるパシフィック・センチュリー・プレイス丸の内は、このグループが建てたビルでもあります。まあつまり、3香港は、香港の超巨大企業の携帯電話部門だということです。
その3香港がプリペイドeSIMのサービスを始めました。香港の会社なのですが、各国のキャリア網をローミング利用できるようになっていて、日本ではドコモのネットワークを使うことができます。つまり、3HKのeSIMサービスを契約すれば(細かいことは抜きにして)ドコモのデータ通信サービスと近いサービスをうけることができる、ということですね。
僕が契約したサービス内容を、ざっくりと紹介します。
- ローミングデータプリペイドeSIM費用:10日間の利用であれば138香港ドル(日本円で約2,000円)
- 利用可能国(4G LTE・テザリング利用可):中国、マカオ、台湾、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、スウェーデン、デンマーク、オーストリア、フランス
- 通信制限なし(ただし1日500MBまでは4G通信で、それ以上の利用の場合は128kbpsに速度制限される)
10日で2,000円って高くない?
少し懸念したのは、10日で2,000円というコストです。1ヶ月だとデータ通信だけで6,000円ですし、これとソフトバンクのスマ放題をあわせると、月の通信量が8,000円を超えます。決して安くはないのですが、これは暫定措置です。というのも、日本の事業者のeSIMサービス提供については、IIJが来年春からのサービスインを公表しています。
僕はIIJ MIOの契約もあるので、来年の春まで3~4カ月の間は、利便性重視でこのローミングサービスを使って見ようと思っています。
申し込み方法
申し込みもいたって簡単です。まずは3香港のeSIMサービスのページにアクセスします。
繁体字の中国語で表示されますが、画面右上の"ENG"をクリックすると英語表記になります(さすがに日本語ページはありません)。このページの"BUY NOW"ボタンをクリックすると、まずはサービス概要画面(下記)へ遷移します。
同意のチェックボックスにチェックをいれ、NEXTを押します。
携帯番号とメールアドレスの入力が求められます。この携帯番号は日本の電話番号でも大丈夫でした(日本の国番号の+81をつけようがつけまいが、申し込みは可能でした)。メールアドレスはちゃんとアクセスできるアドレスを入力してください。このアドレスに申し込み・利用に必要な様々な情報が届きます。
最後にCaptcha欄上に示されるアルファベットをそのまま入力し、"Get One Time Password"をクリックします。
すると、指定したメールアドレスにワンタイムパスワードが届きます(6桁の数字です)。1分以内に入力が必要のようですので、おはやめに!
ブラウザに戻ると、一番下にワンタイムパスワードの入力欄ができています。ここにメールで指定された数字を入力し、同意のチェックをいれ、"NEXT"を押します。
クレジットカード情報の入力欄がでますので、必要事項を入力します。最後に同意のチェックをいれ、"NEXT"を押します。
すると、購入レシートがメールで送られてきます。このメールの他に、eSIMをアクティベートするためのメールが別途届きます。僕の場合、このメールが届くのに30分くらいかかりました(ちょっとやきもきしました?)。
このQRコードのメールが来れば、申し込みはひとまず完了です。(ちなみに上記のQRコードは加工していますので読めません)
iPhoneでのeSIM設定方法
iPhoneでのeSIM設定方法も簡単です。設定>モバイル通信>モバイル通信プランを追加、を選びます。
QRコードのスキャン画面が出ますので、先ほどのメールにあったQRコードを読み取ります。
このあと「保証されていないモバイル通信プラン」というダイアログボックスがでますが、OKを押して進めばeSIMのアクティベーションは完了です。ちなみにこのメッセージについて、公式ページでは次のように触れられています。
During the activation process, a Pop up Message "Uncertified Data Plan/Uncertified Cellular Plan" will be there until a new IOS is released by Apple later this year. Customer just simply press “OK” to continue the eSIM installation process accordingly
[拙訳]アクティベーションのプロセスでは、今年後半にアップルが新しいiOSをリリースするまでの間、「保証されていないモバイル通信プラン」というポップアップメッセージがでます。お客様はただ"OK"を押して、eSIMインストールプロセスを進めてください。
言われたとおりにOKを押すと、ご覧の通り、DOCOMO(ローミング)と、Softbank(音声)が併記されました。
カバレッジもデータ通信速度も良好!通信量についてはSMSで通知も
さっそくDSDSになったiPhone XSと仕事に出かけました。ドコモのネットワークですし、4G LTEでの通信も可能なので快適です。
利用をしていると、通信量については下記のような通知も来ます。中国語は読めませんが、漢字のニュアンスから、どうもその日に使った通信量の通知のようです。前述のとおり、500MBまではLTEで通信できますが、それを超えると低速になるので、このような通知はありがたいですね。
ただし困ったことも?
昨日の夕方のことですが、突如2時間ほどデータ通信が一切できない状態になりました。これがeSIMの問題なのか、端末の問題なのか、それともドコモのネットワークの問題なのかはわかりません。もう少し使ってみて、同様の事象が現れるかどうかをみて判断したいところですが……個人的には「香港の事業者のサービスを使っているから」という可能性はありうると思っています。というのも、日本ではドコモのネットワークをローミングで使っているといっても、eSIMの認証等の管理や統制などは香港側で行っているはずです。ですので、日本と香港間のネットワークの問題などや、香港側での障害の問題なども起こりえます。この辺りは純粋に国内の事業者のサービスを使っている場合とは異なるリスクであると思います。
このあたりの使用感は追ってレビューしたいと思います。