補助金に関連する当ページの情報について
当ページの記載事項に基づいてすべてを判断せず、必ず公募要領を確認してください。当社ページの見解に従った結果、不採択となった場合も、当社は責任を負いかねます。このページの情報や見解は、予告なしに変更することがあります。

ブログ 融資・補助金

ものづくり補助金の申請書には、経営ビジョン・中長期計画を明記すべし

https://imamura-net.com

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ものづくり補助金の申請書(特に様式2)を作成する際、審査項目では求められてはいないものの、絶対に申請書に記述するべきという項目があります。それが「中長期の経営ビジョン・計画」です。これが一体何なのか、どういう風に書くべきかを解説します。

スポンサーリンク

経営ビジョン・中長期計画とは何か

まずは結論から。ものすごく簡単に言うと、経営ビジョンと中長期計画は、次のようなものだと思ってください。

経営ビジョン 3~5年後という将来に、どのような会社になっていたいか
中長期計画 3~5年後のなりたい姿になるために、いつ何をするか

もう少し全体的な話をしましょうか。下の図を見ていただけますか?

経営というものは、山登りに例えることができます。山の頂上が経営のゴールとしましょう。ここに向かって経営をしているという到達点ですね。このゴールとなるものを「経営理念」と一般的には呼びます。企業は何を目指して経営をしているか、を明文化したものですね。この経営理念は具体的な数字などで示されるというよりも、抽象的な表現のものが多いように思います(例えば「お客様の幸せに貢献」など)

そのような抽象的なゴール(≒山の頂上)に一足飛びにたどり着くことは困難です。したがって、登山道の節々に(3合目とか4合目とか)に、中継点となる到達点を示すことがあります。これが「経営ビジョン」です。経営理念を実現するには、まずは3~5年後にはこういう会社になろうという状態のことです。経営ビジョンは、理念よりももう少し具体的に表現されることが多く、数字目標が含まれる場合もあります。

この中継点たる経営ビジョンを実現するためには、いつ、だれが、どのようなことをするのかというのが「中長期計画」ですね。中長期計画の一部としてわかりやすいものが「年度目標」です。そしてその目標を実現するために、各部署が目標や役割を定める、というのが経営の姿だといえます。

「事業計画」では、経営ビジョンや中長期計画を定めることは、ある意味"常識"

こんなものが補助金の申請書に必要なの?と思うかもしれませんが、事業計画を作るうえで経営ビジョンや中長期計画を押さえることはある意味常識です。「ものづくり補助金」の申請書(様式2)には、ちゃんと「事業計画書」と書いていますよ。様式2は「補助金申請書」でもなく「設備投資計画書」でもなく、読んで字のごとく「事業計画書」なのです。

事業計画書には「経営ビジョン」を書くことが常識だという証拠を見せましょう。下記の中小企業基盤整備機構のホームページでは、例外なく「将来の目標」であるとか「目標である姿」という表現があります。

小規模事業者持続化補助金や経営革新計画でも記述が求められている

この「経営ビジョン」や「中長期計画」ですが、他の施策(小規模事業者持続化補助金や経営革新計画)でも、実は記述が求められています。

小規模事業者持続化補助金の様式2には「経営方針・目標と今後のプラン」とありますね。

経営革新計画でも別表2に、計画実施期間の具体的な実施計画を記入する場所があります。

事業計画書の構造をビジュアルに示す

つまり事業計画書というものは、次のような構造になっていると考えてください。事業計画書を作ってやろうとしていること(≒経営革新)というものは、突然どこからか降ってわいたものではなく、「自社の方針(理念やビジョン)」「自社の強み」「市場における機会」の3つの要素の交点にあるということです。

そしてその交点にある経営革新の内容を実現するために、どのような体制を作り、どのような技術開発を行い、どのように販売をしていくのかというのを明記する。その結果、競合に対してどのような優位性が生まれ、どのような結果(売上や利益)が生まれるか、という一貫性のあるストーリーにならなければならないのです。

これは僕が頭の中で考え出したオリジナルのものではありません。中小企業診断士はこのような構造を受験生の時からたたき込まれますし、行政機関である中小企業庁や中小機構の説明もおおむねこれに沿ったものになっています。

では、ものづくり補助金の申請書ではどう「経営ビジョン」と「中長期計画」を書くか

ものづくり補助金では、行政の目標として、事業終了後5年以内に事業化を達成(継続的に販売実績があり利益が上がっている)した事業が半数を超えることを目指しています。ですので、5年後には儲かっている、ということを様式2で記述することが必要ですね。その儲かっているとするための根拠の一つが「経営ビジョン」(本来の当社の方針に沿っているものであり、決して奇をてらったものではないことの証明)であり、「中長期計画」(事業化を実現するために補助金をもらった後、2年目から5年目にかけて、いつ何をするか)なのです。

これらをどこに記述するかですが、様式2の「その2」でしょう。というのも、「その2」にははっきりと「将来の展望」と書かれています。

こんな感じで書いてみてはどうでしょうか。

中長期計画はこのような感じです。

これが書けると、事業計画書(≒申請書)に一貫したストーリーができて、ビシッと締まりますし、説得力もグッと増します。経営ビジョンと中長期計画の作成は、審査項目で要求されていることではありませんが、必須ですよ!

スポンサーリンク

スポンサーリンク

最近の人気記事

1

「事業再構築補助金」は制度開始から3年目を迎えました。多くの中小企業に知られるようになった事業再構築補助金ですが、このページでは2023年の制度の全容を10分でわかるようにまとめて解説します。 「事業 ...

2

「ものづくり補助金」は制度開始から11年目を迎えました。中小企業政策で最もよく知られているといってもいい「ものづくり補助金」ですが、このページでは2023年の制度の全容を10分でわかるようにまとめて解 ...

3

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 先日、納税地の所轄税務署から「消費税課税事業者届出書の提出について」という文書がきました。個人事業主は、ある期間の課税売上高が1,00 ...

-ブログ, 融資・補助金

© 2024 Management Office Imamura Ltd.