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刑法犯の約8割は男性。その要因を「男らしさ」に求めることについての考察

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

今日は(今日も?)エモいブログです? 突然ですが、刑法犯の約8割は男性なんだということ、ご存知ですか?その理由を「男らしさ」に見出す心理学的なアプローチがあります。

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「男らしさ」と犯罪

まずは刑法犯の8割が男性であるというデータから。下記の図は「平成20年版犯罪白書」からの引用ですが、平成19年の時点で、女性の刑法犯比率は約2割であることがわかります。ということは反対に、刑法犯の約8割程度は男性なのだと読めますね。

男性が女性よりも罪を犯す理由はなんでしょうか?遺伝的な要因だから(男性のほうが生まれついて狂暴で暴力的だから)でしょうか?それとも環境的な要因だから(男性が後天的に得る価値観として、暴力を手段として学ぶから)でしょうか?

その理由のひとつとして挙げられるものに「男らしさ」の問題があるそうです。例えば、男性性と犯罪の関わりを研究しているJ.W.メッサーシュミットという学者が1993年の論文で指摘していることのですが、暴力というものは、「男らしさ」の証明のために動員されるもののひとつなのだそうです。どういうことかというと、地位や権力、名声を得ることや、リーダーシップを発揮するということは、一般的に「男らしいこと」とみなされています。傾向として多くの男性は(時には女性も)、この「男らしさ」を獲得しようと行動します。しかし、地位や権力、名声というものは常に手に入れられるものではありませんし、リーダーシップもうまく発揮できることばかりとは限りません。

そういう時――つまり「男らしさ」の獲得に失敗した時――に、暴力をもって「男らしさ」を証明するということだそうで、いわば暴力は「男らしさ証明の最後の砦」みたいなものになっているのだというのがメッサーシュミットさんの考え方です。

「男らしさ」は不安定である

この「男らしさ」というものは、失われやすいもだという考え方もあるそうです。例えばある男性がいて、その人は結婚前には「カッコイイしお金持ち!」と女性にモテモテだったします。しかし、そういう「男らしさ」を備えていたとしても、結婚後はもはや評価されず、パートナーからは「お皿くらい洗ってよ!」と言われるようになることもありうるわけです。そういう点で「男らしさ」は永続的ではなく、不安定で常にゆらいでいると言えます。

となるとですね、男性は違った方向で「男らしさ」を追い求めることになるでしょう。それは職場内で権力を確保しようとすること(≒部下や後輩へのマウンティング、パワハラ)かもしれないし、難しい資格にチャレンジして名声を得ようとすることかもしれません。しかし「男らしさ」の獲得は容易ではないですし、獲得したとしても不安定です。やがてそういう人は「男らしさ」が証明できないことに不安になり、ストレスをためることになるます。「男らしさ」の要素の一つには「弱音を吐かない」ということもありますので、「男らしさ」にこだわる人であるほど、他人に手助けも求めようとしないでしょう。

そして「男らしさ」の証明が不可能だと思えてくると、最後の手段――つまり暴力――に訴えでてしまうということですね。

このときの暴力は「単に暴れたい」というものではなく、自分に優位を取り戻すための暴力なので、自分より弱い者に向かいがちになります。つまり、女性や子ども、老人、障害者、部下、後輩、その他マイノリティなどに向かうこととなり、こうしてDVや性暴力、各種差別が出来上がる、というのが、心理学的なアプローチのようです。(心理学者のジョセフ・バンデロとジェニファー・ボッソンによる「不安定な男らしさ」という説に基づく)

僕自身も「男らしさ」にとらわれすぎていた

こういう説に触れてみると、僕も「男らしさ」の虜になっていたかもなあと思い当たるふしがたくさんあります。

学生の頃には「いい学校やいい会社に入らなければ、人間としての価値がない」と思っていましたし?。でも希望通りの学校や会社に入っても「他の同僚よりも成績をあげなければ価値がない」とか「同期よりも早く昇進しなければ価値がない」とか思っていましたし、それが叶わないとなると「国家資格くらい持っていないと価値がない」と思っていましたからね?

家庭ではどうだったかというと「子どもが産まれたのだからリーダーシップを発揮しなければ(父として男として)価値がない」と思い込んでいて、家庭内の船長気取りでした? 勝手に船長気取りだと配偶者様も不快ですよね。で、配偶者様と衝突することも多くなってくるわけですが、すると「男らしさ」に縛られている僕は、家庭の中で「男らしさ」を発揮する余地がないと思いこんでしまい、その不全感から家族に対して辛くあたるようになってしまったのだと思います。刑法犯になっていないだけで、「男らしさ」の獲得に失敗したから暴力的なものに訴え出るという点では、僕も刑法犯も本質的には違いありません。

「自分は他人よりもスゴイ人でなければならない」と思い込み、常に「男らしさ」の獲得と、不安定な「男らしさ」のリカバリーにとらわれていた半生だったと言えるでしょう?

「男らしさ」を獲得し続けることは困難

そして今はようやく「男らしさ」に縛られることが、自分の生きづらさや周囲との軋轢の原因になっていたと自覚することができたように思います。僕のケース(上の例)でもあったように、環境が変わると、その変化に応じて、自分が求めたくなる「男らしさ」も、他人から求められる「男らしさ」も変わっていきます。どのような「男らしさ」が求められるかは、もちろん、求める相手によるでしょう。

環境変化を予測し、相手がどんな「男らしさ」を求めてくるかまで読み切って、先回りして男らしさを十分に獲得することなどできっこない。やろうと思っても、精神的に参ってしまう。

そうなのであれば、「男らしさ」を獲得しなくても苦しくない自分に変わるというのが、もっとも現実的な解ではないかと今は思っています。

仕事で成果を出さなくてもいいじゃないか。失敗してもいいじゃないか。英語くらい話せなくったっていいじゃないか。同業者はもちろん、部下や後輩、そして時には家族に対しても優位になんてんらなくてもいいじゃないか。子どもを寝かしつけること、ミルクをあげること、おむつを替えること、うまくできないことばかりでもいいじゃないか。配偶者様に怒られてもいいじゃないか、ってね。

「男らしく」なくたっていい。それにこだわりすぎると犯罪者になってしまう可能性さえあるのだから……と自分に言い聞かせつつ。

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