おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
問題が再発するのを防ぐ鍵、根本原因分析(RCA)を、初心者の人にもわかるように基礎からお話しします。今回は、ただしい根本原因分析がなぜ必要なのか?を説明します。
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【原因分析入門】根本原因分析(RCA)ってなぜ大事なの?どうやってやるの?(1)
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根本原因分析(RCA)を正しくやらないとどういう問題が起きるか
根本原因分析がいい加減だと、いろいろと厄介なことを引き起こす可能性があります。
最も厄介なことは、「同じ問題が繰り返される」ということです。根本原因分析は再発防止を目的としていると、前回も言いましたが、これが不十分だと問題の再発につながります。
こうなると対応コストの増大をもたらします。ここでのコストには、作り直しに必要な費用だけでなく、生産遅延を解消するための残業費なども含まれることでしょう。
また、問題が繰り返されると生産性も低下します。従業員が本来の業務から離れて問題対応に追われるため、作業の効率も悪くなります。
このようなことが起きると、企業の評判にも影響を及ぼします。お客さんから「品質が悪い」とか「納期に遅れがち」というネガティブな印象を持たれることになりますね。
そしてこれらの厄介事が積み重なることで、現場の士気が低下する可能性もあります。これらはすべて、適切な根本原因分析が行われないことによって引き起こされる可能性があります。
不適切な根本原因分析(RCA)の例
では根本原因分析のダメな例を見てみましょう。
ありがちなまずい分析例は「うっかりミス」を原因にすることですね。確かに人間はみんなうっかりミスをするんですが、「うっかりしてました」っていうのを原因として終わらせてしまうのは、良くありません。
なぜかというと、まず「表面的な分析」だからです。「うっかりしていた」の背後には、もっと深い原因が隠れているかもしれません。例えば、十分な訓練がされてなかったり、作業環境が悪かったり、仕事が多すぎて疲れていたり、作業の手順がしっかりしてなかったりという原因が考えられます。
そうした原因を考えずに、ただ「うっかりしてました」と言ってしまうと、問題の再発を防げないんですよね。根本原因分析は、再発防止のためにやるという話をしましたが、原因が「うっかりしていました」で止まってしまうと、対策が「うっかりしない」になっちゃうんですよね。これじゃあ、再発が防げるわけがないですよね。
そしてもう一つ大事なのは、この「うっかりした」という理由が、個人に焦点を当てているということですね。「うっかりしたやつが悪い」という感じで、個人を責めることにつながりかねません。確かにうっかりしたのはその人だけど、そのうっかりの背後には、もっと深い原因が隠れているという話も先ほどしました。個人のミスということを強調すると、組織全体の問題や仕組みの不備を見逃しかねません。そうなると、本当の再発防止なんてできないわけですね。
次回(最終回)は、根本原因分析をどのように進めるかについて具体例を交えて解説します。