おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村です。
冬季休業中の集中講義「ISO42001ざっくり解説」です。今日は箇条9「パフォーマンス評価」についてざっくり説明します。
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9.1 監視、測定、分析及び評価
箇条9は、いわゆるPDCAサイクルでいうところのC(チェック)に該当する箇条です。この箇条9.1では、AIマネジメントシステムのパフォーマンス(結果や成果)を監視・測定し、分析・評価することによって、改善のきっかけを明らかにすることを求めています。
まず組織は、AIマネジメントシステムのパフォーマンス(結果や成果)と有効性(狙い通りの結果・成果がデているか)をチェックするために、具体的に何を監視・測定したいのかを決めなければなりません。監視・測定すべきAIマネジメントシステムの一般的なパフォーマンス例としては、エラー率、応答時間、顧客フィードバックなどがあるでしょう。また、データ収集の方法と手順は、結果・成果が有効で信頼できることを保証できるやり方でなければなりません。
監視・測定して収集されたデータは、傾向や長所・短所、改善の可能性を特定するために、定期的に分析・評価されなければなりません。例えば、エラー率が一定水準を超えた場合、根本原因分析を実施し、修正プログラムの適用やトレーニングの実施などの改善を行います。
この一連の監視、測定、分析及び評価のプロセスは、技術革新、規制変更、利害関係者の期待の変化などにAIマネジメントシステムを適応させ、その有効性を長期的に確保するために重要といえます。
さらに監視と測定から得られた結果はすべて、文書化が求められています。これはマネジメントシステムのパフォーマンスや有効性の具体的証拠なるだけではなく、分析・評価を行い、改善をするための基礎となります。
9.2 内部監査
内部監査は、①組織が決めたルール、②ISO 42001の規格要求事項、の2点を守って運用されているか、そして狙い通りの結果が出ているかを確認するために実施されます。このため、組織は事前に監査の間隔を決めておく必要があります。例えば、年1回の監査が一般的ですが、組織の規模や特性に応じて適切な頻度を柔軟に設定することが求められます。
また、組織は監査プログラムを計画、確立、実施、維持する必要があります。このプログラムには、監査の頻度、方法、責任、計画の要件および報告が含まれるべきであり、行き当たりばったりの監査は不適切です。体系的なプログラムを持たない監査では、ルールの運用状況やAIマネジメントシステムの有効性を正しく確認することが難しくなります。
監査を実施する際には、力量があり、監査対象の業務から独立した監査員を選任する必要があります。これは監査プロセスの客観性と公平性を確保するためです。また、監査結果は文書化され、経営層や管理者層に報告されなければなりません。これにより、監査結果を基にした改善活動を計画的に進めることが可能となります。
内部監査は、AIマネジメントシステムの現状を把握し、改善点を明確にするための重要な手段です。監査結果を適切に活用することで、AIマネジメントシステムの有効性を高め、継続的改善を促進する基盤を構築することができます。
9.3 マネジメントレビュー
マネジメントレビューは、いわば経営者によるAIマネジメントシステムのチェックと改善を行うプロセスです。正しい経営判断を行うために、経営者に報告すべきインプットが次の通り定められています。
a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
b) AIマネジメントシステムに関連する外部および内部の課題の変化
c) AIマネジメントシステムに関連する利害関係者のニーズや期待の変化
d) 次に示す傾向を含めた、AIマネジメントシステムのパフォーマンスに関するフィードバック
1) 不適合および是正処置
2) 監視および測定の結果
3) 監査結果
e) 継続的改善の機会
これらのインプットを受けて、経営者は、継続的改善の機会やAIマネジメントシステムの変更の必要性に関する意思決定(アウトプット)を行います。この意思決定には、新技術の導入、人材の再配置、外部委託プロセスの見直しなど、戦略的な判断が含まれることが一般的です。
さらに、マネジメントレビューの結果は文書化しなければなりません。これは、結果をもとに具体的な改善計画を策定し、社内で実行するための重要な基礎となります。