おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
公募が終わったばかりの平成30年度補正ものづくり補助金1次公募2次締切ですが、どのくらいの採択率になるでしょうか。公募開始時にも予測をしましたが、過去のデータ等だけでなく今回の公募の現場の実感も踏まえて、予測をしてみました。
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中小企業庁などの情報からわかっていること
中小企業庁が12月28日に公表した事前予告や、その後の公募要領などから、今回の公募については次のことがわかっています。
- 予算は850億円(補正予算800億円+企業間データ活用型向け当初予算50億円)
- 補助上限額は1,000万円/者(一般型を前提として)
- 公募期間は2月18日~5月8日の79日間
- 補助予定件数は約1万件(事前予告資料の10ページより)
過去のデータを見る
これまでの公募の応募総数と採択数、採択率のデータを見てみましょう。
今回の公募は、①補助上限額、②補助率、③事業実施期間の長さ、の3つの点で、昨年度(平成29年度補正)の条件と非常に似ています。したがって、今年度の応募総数と採択数を調べる上では、昨年の実績から推察することにある程度の妥当性がありそうです。
しかしながら、昨年度の公募と異なる点があります。それは予算総額が800億円(企業間データ活用型等の類型で別途50億円を計上している)であることから、採択数は昨年度よりも少し少なくなるのではないかと思われます。単純計算で2割ほどは減るのではないでしょうか。
採択数は1次・2次をあわせて10,000件程度。うち1次公募は8,000件程度の採択か
昨年度の1次公募・2次公募合わせた採択数が11,989件ですから、そこから2割を減じると、約9,600件程度と推察できます。これは中小企業庁が事前予告資料で示した10,000件とほぼ同レベルですね。したがって、今年度の採択企業数は、10,000件と見積もるのが妥当だと思われます。
1次公募と2次公募の内訳はどの程度でしょうか。昨年度は1次公募が9,518件、2次公募が2,471件の採択でした。比率で言うと、おおむね4:1になりますね。この比率が今年も当てはまるとして、1次公募の採択数は8,000件程度、2次公募の採択数は2,000件程度ではないか。
1次公募の応募総数は18,000~20,000件程度ではないか
1次公募の応募総数はどの程度でしょうか。当社の調べでは、応募総数は①公募期間、②事業実施期間(交付決定から事業終了期限までの期間)の2つと強い相関があります。(前者の相関係数が0,94、後者の相関係数が0.76)。つまり、公募期間が長ければその分申請も多くなるということですし、事業実施期間が長ければその分申請も多くなる、ということですね。
ところで、公募期間1日当たりの応募数は、昨年のデータによると298件でした。事業実施期間がほぼ昨年と同等であると推測できますので、単純にこの1日当たりの応募数に、今年の公募期間である79日をかけあわせると、23,542件です。ただ、今年は79日の公募期間があったといっても、ゴールデンウイークの10連休を挟んでいました。営業日で言うと、昨年度と今年度は9営業日の違いです。したがって、上記の単純計算から若干の申請数を差し引くほうが、実態に近くなるように思います。
また今年は現場の実感として、申請が若干低調であったように思います。例えばですが、日本工作機械工業会(日工会)は、2019年の年間受注高が前年比1割減の1兆6,000億円になるとの予測を示しています。2017~2018年と2年連続で過去最高を更新し、特に昨年は初の1兆8,000億円に到達する空前の活況でした。しかし米中貿易摩擦などを理由に、受注が減少しています。したがって、設備投資の需要も今年は昨年ほどではないのではないかと考えられます。
この点を踏まえると、1次公募の応募総数は18,000件~20,000件程度に収まるのではないかと思われます。
したがって、1次公募の採択率は40~44%の間くらいではないか
上記の推測をまとめると
- 1次公募の採択数は8,000件程度
- 1次公募の応募総数は18,000件~20,000件程度
ですので、採択率は40~44%の間くらいに収まるのではないかと推察します。平均4割という「いつもの水準」に落ち着くのではないかと思います。