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2020年実施ものづくり補助金の審査項目を読む(政策面① 地域の経済成長を牽引する事業)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2020年実施ものづくり補助金では、政策面の審査項目が一新されました。新しい審査項目の意図はなにか?申請する上ではどう記述すればよいか?を、考察したいと思います。まずは政策面①です。

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そもそも「政策面」という審査項目は何か?

中小企業が申請する「ものづくり補助金」事業計画書の内容が、行政(国)の方針に沿っているかどうかを評価するのが「政策面」です。

どんな施策もそうですが、行政側として達成したい目的や目標があります。その実現のために「補助金」という手段で実施を促しているわけです。この「ものづくり補助金」も、中小企業の経営革新や生産性革命を促進したいからやっているんですね。単に、がんばる中小企業を応援するためだけに行われているわけではありません。

経営革新や生産性革命の他にも、国が中小企業政策として実現したいことはたくさんあります。これらをより多く満たしている企業を審査上で優遇しようというわけですね。具体的にどういう方針を満たしていれば優遇するのかを具体的に示したのが、この「政策面」です。

新政策面①には何が書いてあるか

令和元年補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」公募要領18ページ(4)政策面①には、次のように書かれています。

地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業を積極的に展開することが期待できるか。

このフレーズ、中小企業政策オタク(?)ならば、どこかで聞いたことがあるんじゃないでしょうかね。経産省が実施している施策に「地域未来牽引企業」の選定という施策があるのですが、ここに出てくるフレーズと同じなのです。

新政策面①は、「地域未来牽引企業」であるかどうかを問うている

例えばですが、下記の資料を見てください(赤線は筆者)。

どうですか?ほぼ同じフレーズですね。

ここから推察できることは、この新しい政策面①は、事実上の「地域未来牽引企業」認定企業に対する加点であるということです。これは推察にとどまりません。情報源は明かせませんが、地域未来牽引企業の選定を受けた当社の得意先からも、そのような情報を聞いています。

実はこの件、2019年9月26日の日刊工業新聞でも「経産省が『地域未来企業』に補助金を優先採択」と報道されています。ここで報じられたことが、2020年実施ものづくり補助金の政策面①として反映されたのでしょう。

この背景としては、2019年10月から「地域未来牽引企業」の制度が強化されたということがあるようです。何かの施策を強化する際、知名度の高い施策に相乗りをするということがよく行われます。特にこのものづくり補助金は「相乗りされる側」としてよく使われます。本件もおそらく、この一環なのだと思います。

「地域未来牽引企業」の選定は、地方公共団体や経済団体等の推薦が必要。認定されていない企業はどうすれば点がとれる?

補助金に加点されるならば、「地域未来牽引企業」に認定されたい!と思うのが人情です。

ところがこの「地域未来牽引企業」の選定は、地方公共団体や経済団体等の推薦が必要です。ですので、自社で申請書を書いて、認定を受けるということができません。しかもこの度の「地域未来牽引企業」の推薦募集は令和2年2月28日(金曜日)から令和2年3月30日(月曜日)までです。補助金のために、これに推薦されて認定をうける、というのは限りなく高いハードルです。

では、これに認定されていない企業は、政策面①を全く満たすことができないのでしょうか?

ここからは当社の勝手な推測です。これで政策面①の点が取れるという保証はどこにもありませんが「地域未来牽引企業」の推薦要件と絡めて記述するという方法があるかもしれません。推薦要件や推薦のための応募書式は公開されています。

ようやく結論。では政策面①はどのように書けばよいか

長い前フリで申し訳ありません。ようやく結論です。政策面①はどう書けばよいでしょうか。

事業の特徴の書き方

下記の点について、補助金で申請しようとしている事業の特徴を書きます。

  • 地域特性をうまく活用しているか(後述)
  • 新規性、独創性はあるか(申請書でき術する革新性とからめて簡潔に書く)
  • 成長性はあるか(申請書で記述する市場規模や動向などとからめて簡潔に書く)

「地域特性」とは何か?ということがわからなければ、「地域特性をうまく活用しているか」を記述することができません。これを調べるためには、「地域未来牽引企業」と似たようで全く異なる施策なのですが「地域経済牽引事業計画」という施策があります。これを調べると、地域ごとの特性が明示されています。事業実施場所の自治体(市町村)の「地域経済牽引事業計画」のホームページを見ます。下記のように検索すれば出てきます。

すると、その自治体における「地域経済牽引事業計画」の承認要件が出てきます。なにもないところから想像で書くより、ここで明示されている地域特性を押さえて書くほうが説得力があると思います。

経営の特徴の書き方

下記の点について、自社の特徴を書きます。

  • 経営者に特筆すべき点はあるか
  • 経営手法に優れた点はあるか
  • その他、経営の特徴に関する事項

推薦様式によれば、三方よしなど地域経済貢献に向けた経営姿勢がある、未来を切り開く挑戦心に溢れている、働き方改革や女性・高齢者・障害者などの多様な人材の活躍についての意識が高い、災害時の備えなど経営リスクについても意識が高い等などの例が書かれていました。これらに加え、具体的な取り組みも記述することが求められるようです。

地域貢献期待の書き方

下記の点について、該当するものを書きます。

  • 地域内の事業者との取引額の増加
  • 地域内の事業者の売上の増加
  • 地域内の事業者の雇用者数又は給与支払額等の増加
  • その他、地域貢献期待に関する事項

推薦用紙によると、上記のいずれかでよいようです。具体的な数値を用いて記述する必要があるようですが、雇用の面などは書きやすいのではないかと思います。

くどいようですが「地域未来牽引企業」が本来の優遇対象だと思われますので、上記の記述でも政策面①の点が取れる保証はありません。しかし、何も書かないよりは遥かにマシです。

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