おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
1月28日の参議院予算委員会で、事業再構築補助金の受付開始は3月からと梶山経産相が言及しました。また同日、経産省は、事業再構築補助金の基金設置法人・事務局募集要領を公示しました。その中では、採択件数が55,000件程度になるなど、新たな情報が明らかになりました。
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【速報】事業再構築補助金は3月に申請受付を開始
梶山経産相は参議院予算委員会において、三浦信祐参議院議員の質疑に対し、次のように回答をしました。以下、文字起こしをします。
事業再構築補助金については補正予算の成立後、3月に申請受付を開始することを目指しております。現在詳細設計を行っているところであります。どのような事業が補助金の対象となるのか、わかりやすくお示しするための指針や想定事例につきましても、募集開始前に公表するように準備をしているところであります。ホームページ、SNSなども活用して広報してまいりたいと考えております。
動画はこちらから閲覧できます。(1:30:25ごろから)
【速報】事業再構築補助金の採択は、令和4年度までに55,000件程度
同日、経産省は、事業再構築補助金の基金設置法人、事務局募集要領、補助金交付要綱(案)、補助金実施要領の4つの文書を公示しました。これらは、事業再構築を行う中小企業等を対象とした文書ではなく、基金設置法人及び事務局を公募するものです。
事務局募集要領の4ページには、次のような記述があります。
本事業を行う期間は、実施要領に定めるところにより、基金設置法人との契約締結日から、原則令和4年度に間接補助事業を終了した後……(後略)
ここから、間接補助事業(事業再構築を行う中小企業等への補助金公募・交付事業)が、令和4年度までであることが明らかになりました。令和4年度末(2023年3月末)まで受付を続けるのか、それとも令和4年度末までに、採択を受けた中小企業が事業を完了させなければならないのかは、ここからは読み取れません。
さらに事務局募集要領の5ページには「間接補助事業の採択件数 55,000件程度」という記述があります。ここから、間接補助事業(事業再構築を行う中小企業等への補助金公募・交付事業)の採択件数が55,000件程度であることが明らかになりました。
55,000件というのはかなりの数です。例えば、ものづくり補助金と比べると、約5年分の採択者数にあたります(ものづくり補助金では、平成24年度補正~平成28年度補正までの5年間で、52,186者が採択)。ものづくり補助金の5年分の採択者数を、令和4年度末までのわずか2年間で採択しようというわけですから、かなりのハイペースであることがわかります。反面、それを実現できるだけの事務局・審査体制を本当に構築できるのかという疑問も生じます。
【速報】事業再構築補助金で付加価値額向上要件が未達の場合は、補助金額の一部を返還する場合も
また、資料を読み解いていくと、驚くような内容もありました。基金設置法人募集要項の28ページには、次のような記述があります。
事業計画において求める事業終了後 3~5 年での付加価値額が年率平均3%以上増加すること等の目標を達成できなかったときは、補助金額の一部の返還を求める場合がある
事業再構築補助金では、申請必須要件の一つに、事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3%(一部5%)以上の増加、または従業員一人あたり付加価値額の年率平均3%(一部5%)以上の増加というものがあります。付加価値額の定義は下記のようなものだと当社は推測しています。
これを実現できなければ補助金を返還しなければならないという条件が付与されるもようです。ただ、基金設置法人募集要項に書かれているのは「補助金額の一部の返還を求める場合がある」ということですので、どういう場合には返還が要求されるのか(またはどういう場合には返還が求められないのか)という詳しい条件はまだわかりません。
この件について、鬼木誠衆議院議員は、自身の動画の中で「(未達時の返金に関しては)通常枠であればそこまで心配しなくてもよい。ただ事業計画上は目標が達成できていることが必要」と言及しています。
その他、この度の情報公開で明らかとなった事業再構築補助金の詳細について
その他、この度の情報公開で明らかとなった事業再構築補助金の詳細を下記に要点だけまとめます。詳しくはそれぞれの文書を参照ください。
基金設置法人募集要領
- 補助対象経費に建物撤去費、設備等撤去費、原材料費、リース費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費が追加
補助金実施要領(案)
- 受託事業者(筆者注:事務局のこと)が補助事業の公募に対する採択を行う場合には、経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関等と策定した中小企業等であることを確認するとともに、第三者委員会を設置し、当該委員会による審査を行い、大臣及び基金設置法人に対して協議しなければならない。
- 受託事業者(筆者注:事務局のこと)は、補助事業の採択に当たっての申請方法、申請期限、審査基準及び審査体制について公表しなければならない。