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【速報】事業再構築補助金は来年も継続する?=経済財政諮問会議で有識者議員提案

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

7月6日の経済財政諮問会議で、有識者議員が「事業再構築などの新たな挑戦」を2022年度当初予算で支援すべきという提案をしました。事業再構築補助金は今年限りの施策ですが、来年も継続するのでしょうか?結論をいうと「まだわからない」と当社は見ています。

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有識者議員提出資料に「事業再構築」という文字が見られる

「今後のマクロ経済政策運営について」という資料で、有識者議員(竹森俊平氏、十倉雅和氏、新浪剛史氏、柳川範之氏)が提出した資料があります。そこの「2.2022年度予算編成に向けて」という章で、2022年度当初予算に関して下記の通り言及しています。

黒点の3番め(赤枠内)に、確かに「事業再構築など新しい挑戦」と書かれています。これは「事業再構築補助金」のことを指していると考えるのが無難でしょう。

事業再構築など新たな挑戦や、生産性向上、輸出促進、最低賃金を含む賃上げ等に取り組む中小企業等に対し、大胆かつ思い切った支援を行うべき。

ただ、民間議員提出資料に「事業再構築」と書いてあるからと言って、これがすぐに予算に反映されると考えるのは間違っています。そもそも経済財政諮問会議は、橋本行革の成果として2001年1月の省庁再編の際に内閣府に設置されました。民間議員もその時から会議に参加し、原案を提出することができるようになりましたが、これは政治や官僚ではなしえない高い要求水準を提示し、議論をすすめるという位置づけです。つまり民間議員の意見はあくまでも議論のベースにすぎず、最終的には官邸・官僚・議員・各省の議論を通じて予算が決まります。

その他の資料には「事業再構築」という言葉はない

7月6日の経済財政諮問会議では、有識者議員の提出資料のほかにも数々の資料が提出されています。しかしその他の資料にはどこにも「事業再構築」という言葉で出てきていません。

「令和4年度予算の全体像」という資料では、中小企業に対する政策について言及されているのは下記の2点にとどまります。

  • 中小企業の輸出や農林水産物輸出の進行等を通じた外需の取込み
  • 経済の底上げを図る地域を中心に、生産性向上や海外展開に取り組む中小企業の思い切った支援と、最低賃金を含む賃上げしやすい環境の整備

また、副総理兼財務大臣として出席している麻生太郎氏の「令和4年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(案)(麻生議員提出資料)」という資料には、「事業再構築」という言葉は一切ありません。

こうしたことからも、来年度の当初予算で事業再構築補助金が盛り込まれるかどうかというのはまだ不透明であり、今後の議論次第であると言えます。

議論されているのは「当初予算」である

ところで、7月6日の経済財政諮問会議での議論は、令和4年度の当初予算です。一方、現在公募中の事業再構築補助金は令和2年度補正予算に基づいて基金形式で運用されています。当初予算と補正予算は位置づけが異なります。補正予算は、予見し難い事態(突発的災害や経済情勢の悪化等)へ対応するために、当初予算に追加して予算を編成するものです。事業再構築補助金は(建て前上は)コロナ禍による思いがけぬ経済悪化に対応するための緊急措置というものなので、それが恒常的な政策運営の必要予算である当初予算にシフトするかというと、これも議論の対象になるべきものでしょう。

ただ、補正予算から当初予算へのシフトが絶対に行われないということではありません。例えばものづくり補助金の例があります。ものづくり補助金は平成24年度補正予算から行われている施策ですが、平成31年度からは「ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金」として当初予算にも計上されています(補正と当初の両立て)。ただし当初予算のほうは予算規模が補正予算の数十分の1(10億円程度)と極めて小規模で、しかも複数(2~10者)の中小企業者等が連携することが必須要件になるなど、補正予算で運用されている制度とは異なる点が多く見られます。

こうした前例を踏まえて考えると、もし万が一有識者議員の提案どおりに来年度の当初予算に事業再構築補助金が含まれたとしても、現在のような1兆円を超える大規模予算ではなく、かなり予算規模を縮小したうえ公募要件もより狭い範囲を対象としたものになる可能性もあるでしょう。

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