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ISO9001:2015 箇条9.1.1「監視、測定、分析、評価」とはいったい何か?

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO9001:2015各箇条解説シリーズ、今日は箇条9.1.1「一般」について、「監視、測定、分析、評価」とはいったい何か?を説明しながら、規格要求事項を読み解きます。

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そもそも「監視」「測定」とはなにか?

そもそも「監視」「測定」とはどういう意味でしょうか?

「監視」「測定」という言葉は、用語集でもあるISO9000にも定義がありますが、簡単にいうと、監視というのは、見守ることで、測定というのは数値で測ることですね。

検査やチェックは、必ずしも何かを数値で測ることばかりではないはずです。寸法や重さなどはノギスとか台ばかりとかを使い、数値で測定できるでしょうけど、キズとか塗装のムラの有無なんかは器具では測れませんよね。また製造現場などでは、製造設備に異音がしないかどうか、おかしな振動がないかどうか、みたいなこともチェックすることもあるでしょう。設備の不調が、不良や納期遅れの原因になるからですね。

サービス業の場合も同じです。例えば私はコンサルティングサービスを提供していますけれども、これも出来栄えをノギスやシリンダーゲージで測ることはできません。お客さんの要望通りにコンサルサービスが提供されているかどうかは、お客さんに直接聞くこともありますけれども、社長の顔色を伺ったり、コンサルティングをしている場の空気みたいなものを監視して、あっ、これじゃマズイなとか、このままでも行けそうだな、みたいな評価をいろんな局面で、何度もやっています。

なのでこの箇条9.1で求めている監視や測定というのは、なにもそんなに難しいことではないんですね。製品やサービスの出来栄えや、仕事がうまくいっているかどうかを監視したり測定したりするというのは、すでに皆さんの仕事でもやっていることが多いと思うんですよね。現場ではいろいろな段階、タイミングで監視・測定をすでにやっていて、それが良品をつくるための基盤になっているはずです。

ただ、もしかしたら現場では、何を監視測定するかが人によって違っているというケースもあるでしょうし、監視や測定も、記録を取らずになんとなくやっている、というケースもあるでしょう。そういうことのないよう、組織として、何をどう、いつのタイミングで監視測定するかというルールを決めて、それを組織として守りなさいといっているわけですね。もちろん、監視測定の結果は記録をしておいて、後々に分析をしたり、有効性を評価するための材料としておく必要もあります。

というわけで、監視や測定は、良品を作る上では欠かせない行為ですし、そこで得られたデータをもとに、さらなる改善につなげていくわけです。したがってこの監視と測定をしっかりやることは、品質マネジメントシステムの有効性を高める上では非常に重要だと私は思っています。

「分析」「評価」とはなにか?

「分析」と「評価」はどういう意味でしょうか。

分析というのは、簡単にいうと、何かの性質や構造を調べることです。例えばですが、監視や測定をした結果として、製造現場で不適合が見つかります。その記録を、不適合処置一覧表みたいな形でまとめておくとします。

これだけだとよくわかりませんので、ここからデータをいろいろ触って見ます。例えば、作業者別に、出した不適合の数を集計したらどうなるだろうか?と考えて、作業者別で層別をし、グラフにまとめるとします。そうすると、どうも不適合を出したのは今村さんが一番多くて、次が田中さんだということがわかります。この2人が、現場の不適合のほとんどを出しているということもわかりますね。このようなイメージで、何かの性質や構造を深掘りしていくというのが分析です。

分析ができると、いろいろと見えてくるものがありますね。今村さんと田中さんが現場の不適合のほとんどを出しているのならば、この2人を集中的に教育訓練して、スキルアップを図ろう、という考えが浮かびそうです。このように、何かを考えてみて、意見やアイデアを出すことが評価だと言えそうです。

箇条9.1.1の規格要求事項

こうした説明を踏まえると、箇条9.1.1の規格要求事項はすんなりと理解ができます。

まずは、監視や測定する対象や方法、時期、そして監視・測定した結果を分析する方法や時期を決めなさいと言っていますね。これらのことは組織が決めなさいと言っていますので、別になにか新しいことや難しいこと、よそでやっていることなどを無理やり取り入れなくてもいいんじゃないかと思います。最初の段階では、今、わが社が、仕事でやっていることで、品質向上のために確実にやらないといけないことをしっかりと挙げることが先決でしょう。

その上で、分析結果をみて評価をする、つまり改善のための意見やアイデアを出すということを求めているわけですね。評価をしないデータの収集や分析というのは意味がありませんから、改善に結びつくように評価までしっかりとおこなう必要があります。分析や評価を正しく行うためには、当然、記録も残さないといけないでしょうね。なお、分析と評価に関しては、この後の細目箇条9.1.3でさらに詳しく要求されています。

個人的には、この「監視、測定、分析及び評価」というのは、品質マネジメントシステムのパフォーマンスを高める上で、もっとも重要な箇所だと思っています。結局のところ、データだけとっていても全く意味がなくて、取ったデータを料理して、問題点を見える化しないと、打ち手が見えてこないからですね。ところで、データを分析をするツールとしては、有名なものに「QC7つ道具」というものがあります。今日は解説はしませんが、こうした昔から使わている定番の手法を学んで、分析に活かして頂きたいと思います。

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