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ブログ 環境法令

【環境法令解説シリーズ】仕事で使うボールペンって産業廃棄物なの?(あわせ産廃)(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

お仕事でペンを使っていると思いますが、一般的にペンは、プラスチックと金属の組み合わせで出来ています。プラスチックや金属を廃棄するときは、法律上は産業廃棄物としての扱いが必要なんですが、ペンはやはり産業廃棄物として処理しないといけないのでしょうか?(全2回)

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【環境法令解説シリーズ】仕事で使うボールペンって産業廃棄物なの?(あわせ産廃)(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 お仕事でペンを使っていると思いますが、一般的にペンは、プラスチックと金属の組み合わせで出来ています。プラスチックや金属を廃棄するときは ...

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法で認められている「あわせ産廃」(あわせ産業廃棄物・みなし一般廃棄物)

どうして京都市では産廃扱いなのに、神戸市では事業系一般廃棄物扱いなのでしょうか。これは自治体によって異なるのですが、実は廃棄物処理法の第11条第2項に書いていることと関係があります。

(事業者及び地方公共団体の処理)
第十一条 事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
2 市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。
3 都道府県は、産業廃棄物の適正な処理を確保するために都道府県が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行うことができる。

廃棄物処理法の第11条第2項では、市町村は一般廃棄物と一緒に産廃も処理できるよ、と定めているんですね。あくまでも「できるよ」と言っているだけなんですけれども、この条文を根拠にして、自治体によっては一般廃棄物と一緒に産廃も処理しているところがある、ということなんですね。

京都市は、産廃はあくまでも産廃として処理をするという方針だけれども、神戸市では、産廃に区分されているものでも、場合によってはですが、一般廃棄物として処理をすることもある、という方針の違いがあるわけです。神戸市のように、事業者から排出をされた産業廃棄物のうち、一般廃棄物と一緒に処理できるものを「あわせ産業廃棄物」または「みなし一般廃棄物」と呼ぶことがあります。

みなし産廃を受け入れいている自治体があるからといって、その自治体ではどんな産廃でも一般廃棄物と一緒に処理をしているわけではありません。一般的には種類や量で受け入れ基準を定めています。例えば神戸市では、事業系一般廃棄物として処理できるプラスチック類は、継続的に排出されないものや、1回の排出量が70リットルの袋で3袋までのものと限られています。このあたりの取り扱いは、自治体によって全く異なりますので、必ず皆さんの属する自治体に確認をしてください。

「事業活動に伴って生じた」の解釈

自治体によって取り扱いが異なるもう一つの理由としては、産業廃棄物の定義が明確でない、ということも実はあります。廃棄物処理法第2条第4項の1で産業廃棄物の定義がされています。

4 この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。
一 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物

このように産業廃棄物とは「事業活動に伴って生じた廃棄物」のうち、法や政令で定める廃棄物の20種類というのが法律上の定義です。

ここで問題になるのが「事業活動に伴って生じた廃棄物」という表現です。ボールペンを製造・販売している会社で、在庫を処分するとか不良品を処分するとかだと、これは事業活動に伴って生じた廃棄物だとはっきり言えそうですが、事務作業で使って壊れたボールペンは事業活動に伴って生じたと言えるでしょうか。もっというと、仕事中にたべた弁当やお菓子の容器や包装は、果たして事業活動に伴って生じた廃棄物なの?という疑問もありますよね。前回お見せした京都市のガイドブックでは、お弁当の容器も「産廃」と書かれていましたから、京都市ではおそらく、事業所から出るゴミは全て「事業活動にともなって生じるもの」と解釈しているのではないかと考えられます。

「事業活動にともなって生じるもの」の解釈について、私の知る限りでは、国が出した明確な考え方やガイドラインはないはずです。このように法で使われている言葉の定義があいまいなので、自治体によって、もしくは自治体の担当者によって解釈が異なるということが起きているのではないかと思います。

ちなみに当社が契約している収集運搬業者の担当の方に尋ねたところ、ボールペンを製造・販売しているような会社だったら、廃棄するボールペンは産廃扱いですが、そうではない、当社のようなコンサル会社の事務仕事で出るボールペンのゴミは事業系一般廃棄物だと言っていました。これは神戸市の考え方なのだろうと思いますね。神戸市では、廃プラスチック類の事業系ゴミは、継続的に排出されるものは産廃扱いと言っていますからね。

くどいようですが、あわせ産業廃棄物として処理をしてくれるかどうか、処理をするにしても何があわせ産業廃棄物なのかは、自治体によってバラバラです。必ず皆さんの自治体に確認をしてください。

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