おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015年版各箇条解説シリーズ、箇条9.1の「監視、測定、分析及び評価」について解説します。そんなに難しいところではありませんので、例をたくさんつかって解説します。
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箇条9.1の位置づけ
それでは今日のテーマである箇条9.1「監視、測定、分析及び評価」 の位置づけについて確認しましょう。
箇条4では、組織をとりまく課題や利害関係者のニーズ・期待などを考慮して、環境管理の仕組みをつくる手筈を整えました。
箇条5では、トップマネジメントが果たすべき役割について定めましたね。
つづいて箇条6では、環境側面と環境影響、リスクと機会、そして環境に関する法令などを明らかにして、その上で環境に関する計画や目標を定めてきました。
箇条7では、必要な人材、道具、設備、インフラなどを準備しました。
箇条8では、プロセスを確立、実行して、管理、維持してきました。ここまででPDCAにおけるP(プラン・計画)とD(ドゥ・実行)が終わりました。
箇条9では、マネジメントシステムがうまくいっているかどうかのC(チェック・確認)をします。
その中でも今日説明をする箇条9.1は、環境パフォーマンスとして何を監視・測定するか、どうやって監視測定するか、いつ監視測定やるか、という基本的な事項を定めるとともに、監視測定の結果、得られたデータや測定値を活用して、環境マネジメントシステムの改善につながるような分析をすることを求めています。
「監視」「測定」「分析」「評価」とは何か
そもそも「監視」「測定」とはどういう意味でしょうか?ISO的にいうと、監視というのは、見守ることで、測定というのは数値で測ることですね。
検査やチェックは、必ずしも何かを測ることばかりではないはずです。例えば水質に関して言うと、BODやpHって数値で測れますよね。一方、フロン抑制法ではエアコンの室外機などを簡易点検する義務がありますが、異音や振動といった、数値では測れないことをチェックする必要があります。これは数値で測れないので、どちらかというと監視に該当します。
では「分析」と「評価」はどういう意味でしょうか。分析というのは、簡単にいうと、何かの性質や構造を調べることです。
例えばですが、水質を測定した結果、pHは8.3だったので、水質基準を満たしています。ただ、過去数年間の測定結果を管理図に落とし込んでみると、どうもpH値がだんだん上の管理基準に近づいているのがわかります。このままいくと、管理基準を超えてしまうかもしれないというのがわかりました。このようなイメージで、何かの性質や構造を深掘りしていくというのが分析です。
そして、分析の結果、このままではいけないので、水質改善の取り組みが必要だという判断ができそうです。このように、何かを考えてみて、意見やアイデアを出すことが評価だと言えそうです。
「監視」「測定」「分析」「評価」をするから改善ができる
箇条9.1の「監視、測定、分析及び評価」はISOでもかなりの重要ポイントだと言えるでしょう。
わかりやすい例(ダイエットの例)を使って説明をしますが、ダイエットする時って体重を測ることは必須ですよね?「今が○kgで、○ヶ月後に○kgになろう」ということが数値でわからなければ、どの程度の運動や食事制限をすればよいか、見積もることができません。また、ダイエットを始めたとしても、体重を測らなければ、食事制限や運動をやっている効果が出ているかってわかりませんもんね。
それと同じで、いまわが社がどんな状態で、取り組んでいることに結果が出ているのかどうかを理解せずに、環境マネジメントはできません。この監視、測定、分析及び評価があるから、環境への悪影響の低減に取り組めるといっても過言ではないと思います。
明日は規格要求事項を解説します。