おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
今回から「熱意ある組織を作る!エンゲージメント解説シリーズ」として、働きがいある職場環境づくり、働きやすい職場環境づくりについて解説をしていきたいと思います。まず初回の今回は「エンゲージメントっていったい何だ」ということをお話したいと思います。(全3回)
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エンゲージメントとはなにか?
エンゲージメントとは、従来の「モチベーション理論」とか「組織行動論」(OB)とかと似た概念です。しかし「エンゲージメントとはなにか?」をひと言でいうのは結構難しいことです。学問的にも定義が定まっていないというか、いろんな人がいろんな定義をしているんですよね。
そんな中で、我々日本人にとって比較的理解しやすいのが、経団連がまとめているエンゲージメントの定義です。
働き手にとって組織目標の達成と自らの成長の方向性が一致し、『働きがい』や『働きやすさ』を感じられる職場環境の中で、組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢を表す概念
(経団連『2023年版経営労働政策特別委員会報告』 経団連出版, 2023年, 5ページより引用)
ぼくなりにもっと簡単にいうと「会社のことについて当事者意識みたいなものをもって、会社に貢献しようという気持ち」といえばいいでしょうかね。経営者の人と話すと、よく「会社のことを自分のことのように考えてほしい」みたいなことを聞きます。ただし、エンゲージメントというのは、そういう当事者意識みたいなことを従業員に一方的に求めるものではありません。この経団連の定義に書いてあることにも注目してもらいたいんですけれども、「『働きがい』や『働きやすさ』を感じられる職場環境の中で」と書いています。こうした職場環境を作るのは経営者の役割ですから、経営者もそうした職場環境を整えることに取り組むというのが前提になっているんですよね。
「ワーク・エンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」
エンゲージメントについて、もうちょっと突っ込んで理解をしたいと思います。今日、この記事で「エンゲージメント」と何気なく話していますが、世間一般的にはエンゲージメントとというと、2つ種類があります。よく似ているんですけどね。
一つは「ワーク・エンゲージメント」というものです。これはどちらかというと学問の世界でよく使われる考え方ですね。めちゃくちゃ簡単にいうと、ワーク・エンゲージメントというのは、働く人が仕事に向かう態度のことを言っていると考えるといいかなと思います。例えば活力がある、熱意がある、没頭する、みたいな態度のことですね。
一方、もうひとつ「従業員エンゲージメント」というものもあります。これは先程の「ワーク・エンゲージメント」の考え方にプラスして、働く人の行動も含んだ考え方だと理解するとわかりやすいかなと思います。どんな行動があるかというと、「自分の役割外のことにも自発的に取り組む」とか、「問題を創造的に解決したり、不確実なことに対応する」とかいう行動ですね。「従業員エンゲージメント」という言葉は、学問的に使われるというよりかは、どちらかというと、私のようなコンサルなんかが好んで使っているように思いますね。
このように、ワーク・エンゲージメントと従業員エンゲージメントという言葉の違いはありますが、強引にひと言でまとめると、エンゲージメントというのは、仕事に向かう意欲もめちゃくちゃあるし、それが自発的な行動にもなっている状態のこと、と言えばいいでしょうかね。