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【ビッグモーター等の事例で学ぶ】企業不祥事はなぜ起こる?経営者の責任は?(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

今話題沸騰のビッグモーターなど、複数の企業の不祥事事例を使いながら、なぜ企業不祥事が起きるのか、その一般的なパターンについて掘り下げていきたいと思います。今回は「企業不祥事の原因」のうち、「コミュニケーション」と「社内ルールや監督機能」に的を絞って解説します。

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【ビッグモーター等の事例で学ぶ】企業不祥事はなぜ起こる?経営者の責任は?(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 今回から4回にわたって、今話題沸騰のビッグモーターなど、複数の企業の不祥事事例を使いながら、なぜ企業不祥事が起きるのか、その一般的なパ ...

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企業不祥事の原因(1)「コミュニケーションの不足」

ではこうした企業不祥事は、なぜ起こるのでしょうか。その原因を4つの観点から考察してみたいと思います。

まず、1つ目の原因グループとして考えられるのは「コミュニケーションの不足」です。このグループには、いくつかの細かい原因があります。

まずは「現場の声が経営者に届かない」という原因があります。経営者が現場に足を運ばないというのは論外ですが、現場に足を運んでも、現場の声を拾わずに、一方通行の指示や叱責ばかりを行うようなケースですね。こうしたことがあると従業員は「社長には何を言ってもムダだ」と思ってしまい、不正行為が生まれる温床となりえます。また現場に近いところで不正行為や違法行為が行われていても、その声がトップに上がりづらくなります。ビッグモーターでも「環境整備点検」といって、スーツを着たお偉方が上から目線で難癖をつけにくるだけのイベントがあったと調査報告書に書かれていました。

また、経営者からの「指示が不確か・あいまい・丸投げ」という原因もあります。これは三菱電機での品質不正の際に実際にあったことですが、不正発覚後にトップから具体的な指示が出なかった結果、現場では「同じ不正を続けても問題ない」「トップは不正を黙認しているのだろう」と考えられて、不正が続けられてしまいました。トップは指示をするだけで、あとは現場に丸投げという場合も問題があります。丸投げされると、現場もトップに対して報告しようという気持ちになりづらくなるでしょう。

「指示の目的や背景を部下に説明しない」ことも、問題の原因となります。ビッグモーターの一件では、板金塗装の見積作成部門が、あとで作業内容が追加にならないよう、余裕を見て、見積額を大きくしていたそうです。そうした背景を現場に伝えなかった結果、現場では「不正を指示しているのでは」と誤解したそうです。説明が不十分だったことが、不正をすることを後押ししてしまったと言えるでしょう。

最後に「縦割り組織になっていて部門間のコミュニケーションができない」というのも、原因の一つです。例えば営業部門が設計や製造に相談なく、無理な納期で受注を行うことがあります。その結果、製造サイドでは納期を守るために検査結果を改ざんし、良品と偽って出荷するという事態が起こってしまいます。

企業不祥事の原因(2)「社内ルールや監督機能の不足」

次に、2つ目の原因グループとして「社内ルールや監督機能の不足」があります。これはどういうものでしょうか。

まずは「そもそもルールがない」という原因がありえます。これは私が過去に支援した会社の例ですが、不適合品を特別採用として出荷する際のルールがなく、現場担当者が勝手に不適合品を顧客に出荷しているという事例がありました。当然、クレームになって、あとで大問題になりました。

続いて「ルールが見直されていない」という原因もあります。神戸製鋼での品質不正事件での事例ですが、神戸製鋼の一部の社内品質基準では、そもそも守ることが困難な基準が設定されていたんだそうです。守ることがそもそも難しい社内基準なので、それを満たさないことが当たり前になっていたそうです。そのルールが見直されずにそのままになっていたため、「社内基準は順守しなくてもよい」という意識が生まれたんだそうですね。

「ルールはあるが周知されていない」という原因もあります。例えば、特別採用のルールはあるけれども、現場に周知されていないので、現場担当者の判断で勝手に不適合品を出荷しているというようなケースでしょうか。

さらに「監査機能が存在しない」という原因もあります。会社が法令を遵守しているか、ルールを守っているかなどを確認する手段が内部監査です。内部監査をしないと、会社が抱えるリスクを早期に発見することが難しくなります。特に非上場の中小企業などでは、この仕組みが整備されていないことが非常に多いですね。

この原因グループの最後ですが「ルールや監督機能はあるが運用できない」という原因もあります。人手不足で運用できない、というのがよく見られるケースです。監査部門のような間接部門は、経営者が人を増やしたがらない傾向にあることも一因じゃないかと思いますね。また現場中心主義、営業中心主義の会社だと、監査部門の立場も弱く、有効な指摘ができない可能性もあります。悪質なケースだと、経営者や管理職が圧力をかけて、監査を形式的なものにしている場合もゼロではありません。この「ルールや監査機能が運用できていない」というのは、組織風土とも関わりがあって、原因には非常に根深いものがあります。

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