おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です、
ハラスメント企業との取引についての解説シリーズの3回目です。今回は、アップルのような会社は、なぜサステナブル監査をやるのかという理由を、実務上のメリットの観点から説明します。
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人権侵害企業との取引には様々なリスクがある
アップルみたいな企業が、取引先に対して人権のチェックをやってるのは、どうしてなんでしょうか?もちろん、良い世の中を作りたいからというのもあるんでしょうけど、実は実務上も大きな意味があるんですよね。ありていにいれば、様々な「リスク」があります。
例えば、原料を作ってるメーカーから始まって、部品を作るメーカー、それからアップル、さらに物流会社を通して、最終的に私たち消費者にアップルの製品が届く、という流れを考えてみてください。
もし、部品を作ってるところで、ハラスメントが起きてたら、どうなるかというと、その会社で働いてる人が辞めやすくなりますよね。そうすると、部品の品質や生産量が不安定になりかねません。その結果、このサプライチェーンでは、ちゃんとした部品が納期通りに手に入らなくなる恐れがあるんです。
更に、そのハラスメントがニュースとかで知られるようになったら、もっと大変ですよね。ハラスメントを起こした企業は、良い人を採用しにくくなったり、今いる人も辞めやすくなったりします。その結果、もっと品質が悪くなるし、部品メーカーの売上も下がるでしょうね。そうすると、アップル自身の製品も作れなくなる恐れがあります。
さらに、「あのハラスメントしてる会社とビジネスしてるの?」って、アップル自体が非難される可能性もあります。そうなると、アップルの製品を買ってもらえなくなるリスクも出てきますね。投資家も手を引くかもしれません。
ハラスメント企業と取引することには、これだけのリスクがあるんですね。だから、アップルみたいな企業は、そういうリスクを減らすために、ちゃんとした基準を持って、監査をやってるんです。
人権侵害企業との取引リスクは、海外展開している企業のほうが敏感
ちなみに、こういうリスクは、日本だけでやってる企業よりも、海外でもビジネスしてる企業の方がもっと、身近に感じていると思います。日本だけを見ていると、文化的な背景なのか、日本的組織の特性なのかわかりませんが、ハラスメントのリスクって、欧米と比べるとまだ実感しにくいかもしれません。これは、日本がいいとか欧米が悪いとかの話じゃありませんが、日本と海外との環境や背景が違うため、海外でのビジネスをしてる企業は、人権の問題にもっと敏感になってると思います。