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中小企業省力化投資補助事業の公募要領をぼちぼちと読んでいく(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村です。

3月29日、中小企業省力化投資補助事業の公募要領が公開されました。まだ承認カテゴリーが9つ、製品登録はまだこれからという段階なので、申請はだいぶ先になるだろうと思いますが、出された公募要領の内容を、ぼちぼちと読んでいこうと思います。

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中小企業省力化投資補助事業 公募要領はこちら

※この記事では、3/29に公開された初版を読んでいきます。

労働生産性の年率平均成長率(CAGR)の計算方法(p6)

① 労働生産性の向上目標 本事業において交付申請を行う中小企業等は、補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組まなければならない。

なお、労働生産性は、以下のように定義するものとする。式中の各値は、報告を行う時点で期末を迎えている直近の事業年度の値を用いるものとする(3―5.(1)を参照)。

(付加価値額)=(営業利益)+(人件費)+(減価償却費)

(労働生産性)=(付加価値額)÷(従業員数)

(労働生産性の年率平均成長率)= [{(効果報告時の労働生産性)÷(交付申請時の労働生産性)}^(効果報告回数※)-1 -1]×100% ※赤字の-1は逆数

※当該報告を含める。つまり、過去に効果報告を行った回数に1を加えた値となる。

ここに労働生産性の年率平均成長率の計算方法が書いています。ものづくり補助金17次締切以降の公募要領では、年率平均成長率の計算式までは書いていなかったと思いますが、省力化投資補助金は親切ですね。ただ、逆数という、もう何十年も前に数学で習ったもので、多くの人はもう忘れているはずのものがさらっと示されているところに意地悪さを感じます。

なおExcelの式っぽく書くと、以下のようになります。

= ((効果報告時の労働生産性 / 交付申請時の労働生産性) ^ (1 / 報告回数) - 1) * 100

収益納付について(p7)

効果報告から、本事業の成果により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として収益納付しなければならない。ただし、効果報告の対象年度の決算が赤字の場合は免除される。

補助金適正化法に定められていることから、国の補助金にはだいたい収益納付のルールがあります。ただ、この収益納付のルールは、補助金によってもまちまちなので、よくわからないんですよね。(公募要領や交付規程には詳しい計算式が書いていないケースがほとんどなので)

ただこのルールの「本事業の成果により収益が得られたと認められる場合には」というのがよくわかりません。そもそもこの補助金は、省力化機器の導入に補助金を出すというものです。具体的な機器を当てはめてこの箇所を読むと「自動券売機の導入の結果、収益が得られたと認められる場合」ということになります。しかしこうした「場合」には、具体的にどのようなものが考えられるでしょうか?確かに自動券売機の導入により、その作業負担を軽減することはできますが、それによって収益が得られたかどうかというのは、券売機の導入以外に様々な要因があって、単純に言い切れないのではないかと思います。

そして気になるのは、その後の「ただし、効果報告の対象年度の決算が赤字の場合は免除される。」という文です。決算が赤字ということですから、当然、全社の全事業の収益のトータルが赤字だった場合のことを指していると思います。逆に「決算(全社レベルでの財務状況)が黒字であれば収益納付が必要となる可能性がある」と解釈できなくもありません。仮定に仮定を重ねる推測で恐縮ですが、もし「全社レベルで黒字であれば収益納付が発生」というルールなのであれば、これは結構面倒くさいことだと思います。

ただし他の補助金の例などを踏まえると、現実的には、全社レベルでの財務状況が黒字であっても、補助金による事業が直接収益を生んだかどうかが納付の要否を判断する基準になるのではないか?と個人的には思いますが(ただ前述の通り、個別の省力化機器が直接収益を生んだという立証はどうやるの?という堂々巡りになりますが)、公募要領のこの書き方だけではなんとも判断ができないというのが正直なところです。

ちょっとこの辺りは不可解ですね。中小企業庁(または中小機構、団体中央会)は、明確なガイドラインやFAQの提供をすべきだと思います

今日はこのあたりまでにしておきましょうか。まだまだ申請開始は先のようなので、こんな感じで公募要領をぼちぼちと読んでいこうと思います。

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