おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO 45001:2018 箇条7.2「力量」を解説します。労働安全衛生に関する力量には、法律で求められる資格以外にもいろいろあります。労働安全衛生における「力量」にはどのようなものがあるのかを含め、規格を詳しく解説します。
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ISO45001:2018 7.2 労働安全衛生における「力量」にはどういうものがあるの?(1)
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ISO45001:2018 7.2 労働安全衛生における「力量」にはどういうものがあるの?(2)
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ISO45001 箇条7.2の規格要求事項
それでは、箇条7.2の規格要求事項を見ていきましょう。
まず、a)についてです。これは、「働くうえでケガをしたり病気にならないようにするために、どんな知識・技術が必要なのかを明らかにしなさい」という意味です。具体的な力量は会社によって異なりますので、どんな仕事をしているのかに応じて決める必要があります。本連載第1回目で説明した5つの力量の切り口を参考にしながら、皆さんの会社の職務内容や職務記述書を見て特定していくようなイメージですね。。
次に、b)についてです。これは「必要な力量を持った人が、その業務を担当するようにしなさい」という意味です。必要な力量の有無は、その人がどんな教育や訓練を受けたか、どんな資格を持っているか、どんな経験を持っているかで判断されます。これを明確にするために、一般的にはスキルマップを作ったり、総務部が技能講習の修了証の写しなどを保管します。特に、規格では「危険源を特定する能力」を備えることを強調しています。危険源を特定する能力とは、例えば、回転する機械や高所作業の危険性をしっていることや、過去の労働災害やヒヤリハット事例を知っていることなどがあるでしょう。
c)についてですが、これは「力量が不足している人に作業をさせる場合、教育訓練を行ったり資格を取らせたり、経験を積ませたりして、十分な力量を持たせるようにしなさい」ということです。その他、配置転換や新規採用、外部委託をすることも、ここに含まれます。
最後に、d)についてです。具体的には、力量の証拠としてスキルマップに記録したり、教育訓練の結果を記録すること、資格や学歴の証明を記録することなどが、保持すべき文書化した情報の例となるでしょう。
非管理者の参加(箇条5.4関連)について
ところで、ISO 45001:2018の箇条5.4では、管理者でない人を力量に関する場に参加させることを求めています。では、彼らはどのように「力量」に関する場に参加できるでしょうか。
一つの可能性は、力量の特定をする場です。現場のことを最もよく知っているのは現場の皆さんです。現場の声が、その仕事に必要な力量を特定するのに役立つでしょう。例えば、「繁忙期に空きパレットを高く積むことがある」という声から、「はい作業」に関する技能や資格取得が必要であることが特定できるかもしれません。
次に、教育訓練ニーズを特定する場にも参加できそうです。現場から「こうした教育訓練が必要だ」「この訓練を行った方がよい」という声を集めます。例えば、「雇入れ時教育に5Sを追加した方がいいのでは?」というニーズが見つかるかもしれません。
また、教育訓練の有効性評価の場にも、管理者でない人の参加が重要です。教育訓練の有効性は、理解度テストだけでなく、現場での実践を通じて評価することが妥当ですよね。例えば、「最近の○○さんは、指差呼称をしっかり実践していますよ」といった現場の同僚からの声は、教育訓練の有効性をより正確に示していると言えるでしょう。
このように力量の特定を効率的に、かつ、網羅的にやるには、現場の人たちを巻き込むことはかなり有効だと思います。安全意識の向上のためにもよさそうですよね。会社全体でワイワイいいながら、話し合ってみてください。