おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
EUのAI規制法案である"EU AI Act"に関して、9/16時点での最新情報を、かいつまんでお伝えします。(情報源は、The EU AI Act Newsletter #61です)。
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初の「汎用目的型AIモデル行動規範」に対する強い関心
欧州AIオフィスは、世界中の組織や個人から、初の「汎用目的型AIモデル行動規範」の策定に参加したいという約1,000件の表明を受け取りました。策定プロセスは、9月30日にオンラインのキックオフ会議から開始されます。AIオフィスは現在、提出された情報と公開情報に基づいて応募者の適格性を確認しており、参加確認は適時行われる予定です。
この行動規範は、汎用目的型AIモデル(大規模データを用いてトレーニングされた汎用性を持つAIモデルのこと。ChatGPTなどが該当すると考えられる)の提供者に対して、特にシステムリスクを伴うものを対象とするAI法のルールを詳細に規定します。
9月18日までに提出された多様なステークホルダーからの意見が、策定プロセスに反映される予定です。
AI担当の主任科学顧問の採用に関する論争
ニュースメディアであるEuractivの編集者Eliza Gritsi氏によると、欧州委員会が、AI担当の内部主任科学顧問を探していることに関して論争が起きているようです。
この役職は、欧州連合の政策執行機関である情報社会・メディア総局(CNECT)の管轄にあり、AIオフィスとは別組織ですが、特に強力な汎用目的型AIモデルに関する技術開発の監視を支援する役割を担っています。
この役職は5月に発表され、科学に関する識者同士の連携やイノベーション政策に関する助言を行うことが求められています。最近、この主任科学顧問の採用のやり方に対して、欧州議会のKai Zenner氏やSvenja Hahn氏から批判があり、これが以前の合意精神やAIオフィスの意図した構造に反するものであると指摘されました。
欧州委員会の関係者は、この役職は欧州ネットワーク・情報セキュリティ機関(ENISA)などの機関を含むすべてのEU機関職員に対して開放されており、内部で埋まらなかった場合には外部候補者に対しても開放される可能性があると説明しました。
また、この役職の採用プロセスについて、AI法の交渉が終了した後に設立されたものであり、政治的な合意は存在しないと強調しました。
初の公式AI委員会会議
欧州委員会は、AI法の発効後、初の公式AI委員会会議を開催しました。この委員会には、欧州委員会とEU加盟国の高官が参加し、EUにおけるAI開発の促進とAI法の実施について議論が行われました。欧州データ保護監督官やノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドのEEA/EFTAの代表者もオブザーバーとして出席し、AIオフィスが事務局として支援しました。
会議の主要な焦点は、委員会の組織と規則の確立、EUのAI政策に関する進捗状況、AI法の実施状況、および各国のAIガバナンスに関するベストプラクティスの共有でした。欧州委員会と加盟国は、AIガバナンスの枠組みを迅速に整備し、AI法の効果的な実施を目指しています。
この会議は、6月19日に行われた準備セッションの後に行われました。