おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
4月25日に2025年版 中小企業白書が公開されました。白書は中小企業の現状を浮き彫りにするものですが、同時に、政策立案の根拠となるものでもあります。今回は第2部第1章をざっくりと読んでいきたいと思います。
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2025年版「中小企業白書」はこちら
です。
前回までの記事はこちら
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2025年版 中小企業白書をざっと読む(第1部)(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ちょっと出遅れましたが、4月25日に2025年版 中小企業白書が公開されました。白書は中小企業の現状を浮き彫りにするものですが、同時に ...
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2025年版 中小企業白書をざっと読む(第1部)(2)
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2025年版 中小企業白書をざっと読む(第1部)(3)
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2025年版 中小企業白書をざっと読む(第2部第1章)(1)
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2025年版 中小企業白書をざっと読む(第2部第1章)(2)
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2025年版 中小企業白書をざっと読む(第2部第1章)(3)
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8. 経営者ネットワーク
要点は以下の通りです(NotebookLMによるAI要約です)
経営者ネットワーク(他社の経営者や経営幹部との交流を目的とした社外コミュニティ)への参加は、経営者の成長意欲の醸成やスキル獲得のきっかけとなり得ます。約7割の事業者が経営者ネットワークに「参加している」と回答しており、中規模企業で参加率が高くなっています。
1~2年くらい前から中小企業施策として経営者ネットワークに目をつけるようになりましたけど、これはよい着眼点だと思いますよ。コンサルでも税理士でも役所でもなく、同じ経営者だからこそ経営者が学べるというのは確かにあると思います。そうでなきゃ商工会議所の青年部とか、同友会とか、ロータリーとかがこんなに存続するはずないですからね。
ただこうしたネットワークに入っているから会社が成長するなどと単純には言えないことには注意が必要ですけどね。
最も頻繁に参加しているネットワークの属性としては、「異業種・同域ネットワーク」が最多です。「異業種・広域ネットワーク」に参加している事業者は、「成長に向けた新たな発想を得た」、「成長意欲が高まった」といった成長に関する効果をより感じています。広域に様々な経営者と関わることが成長意欲向上につながることが示唆されています。一方、「同業種・同域ネットワーク」や「異業種・同域ネットワーク」では、「経営の悩みを共有できた」という効果をより感じており、地域特有の課題共有に役立っている可能性があります。
これは確かにそういう側面はあるのですが、気をつけないといけないのは、こうしたネットワークに足を運んでいるというだけで何かを学んだ気になったり、ネットワーク内のボス的ポジションの経営者の影響を受けて、なんとなく自分が強く偉い経営者になったような気になったりすることです。
群れることは確かに全能感を覚えやすいんですけど、それは同調圧力を招いたり、組織内でのいじめのようなものにつながったり、経営をほったらかしで「群れ」のために働いたりするような、ネットワークの逆効果も当然あります。(何遍も見てきましたよ)
「異業種・広域ネットワーク」や「同業種・広域ネットワーク」に参加している事業者ほど、経営者のリスキリングに取り組む割合が高く、広域ネットワークでの交流が成長意欲を高め、リスキリングといった行動につながっている可能性が見られます。また、これらのネットワークに参加している事業者で売上高の変化率が高い傾向があり、高まった成長意欲が業績に好影響を及ぼしている可能性が示唆されています。
これも因果関係には注意が必要ですね。売上が延びている(つまり経営者が外部のネットワークにリソースを割ける状況である)からこそネットワークに参加できているというケースもあると思います。ネットワークというのは有益であることに疑いはありませんが、それが成功を保証してくれるような甘いものではありませんからね。
9. 事業承継
事業承継は、新しい挑戦へのきっかけとなる可能性があります。60歳以上の経営者の後継者選定状況を見ると、年代が上がるにつれて後継者が決定している割合が高まっていますが、売上高規模による大きな差は見られません。企業類型別に見ると、「同族企業」では親族を後継者とする割合が高いですが、親族以外の社内人材からの登用を検討する企業も一定数存在します。「所有と経営の分離企業」では、親族外承継(社内人材)が比較的高い割合を占めています。
事業承継については専門外なのであまりコメントはありませんけど、このあたりは20年くらい前と基本的な状況は同じですね。(事業承継の必要性を感じる企業は圧倒的に増えているのでしょうけど)
何かとイメージの悪い親族間継承ですが、これも中小企業の従業員からすると、経営者に成り上がりたいという人たちばかりではなくて、「早く社長の息子(娘)に帰ってきてもらって、次の見通しを立ててほしいよ」といういう人たちもたくさんいます。
事業承継は、血縁の有無ということよりも、「統治の正統性」というもののほうが経営上のファクターとして重要じゃないかな?と個人的には思っています。
2代目以降の若い経営者における事業承継後の効果としては、「新たな感性や考え方の導入」、「社内の雰囲気の変化」に効果を感じている割合が高く、若い経営者への事業承継が組織風土に前向きな変化をもたらす可能性が示唆されています。
そりゃまあそうだろうな、という感想ですね。この時、先代社長の側近だったような古参の人たちに、新しい感性や考え方を納得してもらわないといけないので、だから「統治の正統性」が必要なんですよ。(統治の正統性があっても反発は起こり得ますけどね)
これで第2部第1章はざっと読みましたね。次回からは第2部第2章に参りましょう。