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日本政策金融公庫・国民生活事業で繰上償還(繰り上げ一括返済)の手順とペナルティの有無

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

当社は創業時に日本政策金融公庫(国民生活事業)から300万円の借り入れをしているのですが、資金に余裕があったため、この度繰上償還(繰り上げ一括返済)をしました。その時の対応の流れや、ペナルティの有無についてまとめたいと思います。

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繰上償還(繰り上げ一括返済)とは?

金融機関からの借り入れの際には、借入期間をあらかじめ協議しており、割賦金(返済金)と利息を期間まで払い続けることになります。当社も300万円を5年間の期間で借入していましたが、資金に余裕ができたため、期間の終了をまたずにすべてお返ししようと思いました。このように借入期間内(割賦金の最終支払期日前)に全ての借入残高を返済することを繰上償還と言います。

日本政策金融公庫では繰上償還は認められていない?

いろいろ調べてみると、日本政策金融公庫では繰上償還は認められていないと説明するサイトがありました。本当でしょうか?政策金融公庫のページを調べてみたところ、はっきりと「期限前の繰上償還の禁止」と書かれていますね。

ただしこのページ、中小企業事業での融資に関する説明ページです。政策金融公庫には国民生活事業と中小企業事業と二つの事業があるのですが、上記の説明は中小企業事業のものです。

では国民生活事業はどうでしょうか?僕は国民生活事業で融資を受けたのですが、その際の契約書(特約事項の説明)には次のように書いていました。

第4条(期限前の一部または全額弁済)

借主および連帯保証人は、期限前に本借入債務の一部または全部を弁済するときは、あらかじめ公庫の承諾を得るものとします。

  • 期限到来前にお借入の一部または全部の繰上げ返済をご希望の場合は、事前に公庫へご連絡をお願いします。
  • お借入の一部を繰上げてご返済いただく場合は、「整数倍月数分の割賦元金合計額および1カ月分の利息」のみ充当させていただきます。

契約事項にこう書いていることから、国民生活事業では繰上償還(繰り上げ一括返済)は可能ですね。

手続き方法は?

僕の場合、次のような流れで繰上償還の手続きをしました。電話だけで5分程度で済みました。

  1. 融資を受けた際に面談した人(営業さん?)に電話をする
  2. 資金が潤沢だから繰上げ一括返済をしたい旨を説明する
  3. いったん電話をきる。その後、返済事務処理の担当者からすぐに電話がかかる
  4. 繰上げ返済日を話し合って決める
  5. 返済日が決まれば、返済方法についての説明をうける

「できれば一括返済はさけて、少しでも資金を残してもらえないか」と言われましたが、こちらの事情を丁寧に説明し、ご理解をいただけたように思います。公庫の側もビジネスですから、一括返済で融資額がなくなるというのは、あまり都合がよくないことでしょう。

返済方法

僕の場合は、ある月の末日づけで繰上償還することにしました。そうすると、その月に毎月割賦金として通常通りに引き落とされるものはそのままにしておき、残高を別途振込手続きすることになりました。繰上償還は自動引き落としにはならないようです。

僕の場合は末日づけで償還するということにしたのでこういう処理になりましたが、月中ならばまた処理の方法が違うかもしれません。

別途振り込むにあたり、振込先の金融機関名、支店名、口座名を教えてもらいましたので、それと指定の日(末日)に金融機関にいって振り込めばよいということになります。

ペナルティはあるか?

契約書にも、事前相談のうえで繰上償還できると書いていますから、ペナルティについて言及されることはありませんでした。ただ「繰上償還は禁止」とはっきり書かれている中小企業事業の場合は、どのように扱われるのかは僕にはちょっとわかりません。何らかの条件が付く可能性はありますね。(ネットで調べると、中小企業事業では違約金が発生する場合があると説明しているサイトもあります)

国民生活事業の場合、返済は何事もなくスムーズに行われましたが、将来的にもう一度日本政策金融公庫から借り入れする時、何事もなく融資が認められるかという点については、これもその時になってみないとわかりませんね。公共性ある金融機関という立場から見て、繰上げ返済をした者に再度融資をする際に、悪い条件を課すということは考えにくいことではあるのですが……金融機関の立場で考えると、膨大な事務処理を経て貸し出したにも関わらず、利益(≒金利)もほとんど上げられずに契約が打ち切られるのですから、決して面白い話ではないですよね。

経営的な観点から繰上償還のリスクを見る

しかし経営的な観点では、繰上償還するかどうかはかなり慎重に検討する必要があります。単純に手元の現金が少なくなるからですね。

当社の場合は一人商店のコンサルティング業ということもあり、固定費がたいしてありません。売上の3ヶ月分のキャッシュがあれば安心して事業を回すことができます(2ヶ月分でもいいくらい)。繰上償還してもそのくらいのキャッシュは手元に残るというシミュレーションのもとでの意思決定です。

これが設備産業や在庫商売、従業員が複数いるといったビジネスの場合はもっと慎重に検討しないと、キャッシュの枯渇を招く恐れがありますので要注意です。

ともあれ当社はこの繰上償還で、B/Sが(関西弁でいうと)かなりシュッとしたはずです?

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