おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村です。
3月29日、中小企業省力化投資補助事業の公募要領が公開されました。まだ承認カテゴリーが9つ、製品登録はまだこれからという段階なので、申請はだいぶ先になるだろうと思いますが、出された公募要領の内容を、ぼちぼちと読んでいこうと思います。
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中小企業省力化投資補助事業の公募要領をぼちぼちと読んでいく(1)
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中小企業省力化投資補助事業の公募要領をぼちぼちと読んでいく(2)
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中小企業省力化投資補助事業 公募要領はこちら
※この記事では、3/29に公開された初版を読んでいきます。
新規事業は対象とはならない(p13)
p13の(1)「カタログからの選択」という箇所には、以下の記述があります。
なお、本事業は省力化を目的とすることから、新規事業は対象とはならない。
ここでいう新規事業とは、例えば、当社のようなサービス業(コンサル会社)が飲食ビジネスをはじめるにあたって、券売機を買うのはダメということですね。あくまでも既存事業で、既に飲食ビジネスをやっていて、しかも手作業で現金の手渡しをやっているような企業が券売機を導入する、というのが、この補助金のストライクゾーンということです。
ところでこの新規事業に関する要件は、こんなところに書くだけではなく、P8の「補助対象外となる経費」やp11の「補助対象外事業・事業者」のところにもまとめて書いておいてほしいですよね。
人手不足の状態にあることの確認(p13)
この補助金は、人手不足に悩む中小企業等が、不足解消に効果がある汎用製品を導入するための補助金ですので、「人手不足である」ことを証明する必要があります。公募要領によると、以下の4つのどれかに当てはまることを、事業計画の中で説明しないといけないようです。
①限られた人手で業務を遂行するため、直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている。
②整理解雇に依らない離職・退職によって従業員が前年度比で5%以上減少している。
※ただし、非正規雇用が主体の事業者については総労働時間を従業員数で代替することとする。③採用活動を行い求人を掲載したものの、充足には至らなかった。
④その 他、省力化を推し進める必要に迫られている。
①はどうやって調べればいいでしょうか。一般的には賃金台帳に時間外労働時間を記載しているでしょうから、そこから従業員の平均残業時間を調べることができそうです。エビデンスを添付する必要まではなさそうですが、何かあったときに(例えば抜き打ち監査など)証明できないとまずいでしょう。
ただ、どの期間の残業時間なのかというのは、ちょっと悩ましいですね。公募要領には「直近の」としか書いていませんが、基準は「30時間」とのことなので、まあ常識的には申請月の前月などと考えるのが妥当だと思います。
②はどうでしょうか。これも指示があいまいなので悩ましいですね。まず、前年度のどの時点の従業員数を取るか?という問題があります。前年度末日の従業員数と比較するのか、前年度の同月末の従業員数と比較するのか、それとも前年度の期中平均の従業員数と比較するのか?という選択肢がありそうです。事業の形態(例えば季節によって業務量が大きく変動するような場合)によって、どれが適切なのかが変わってくると思いますが、好きなやり方を勝手に選んでいいんでしょうかね?
③が一番悩ましいんじゃないですかね。まず、求人が掲載したウェブサイト、新聞、業界誌などの記録。掲載日、期間、掲載内容がエビデンスとして提示できる状態でないといけないでしょう。なお「充足には至らなかった」というのも難しいところですが、例えば3名の募集をかけていたのに2名しか採用にいたらなかった、というのも「充足には至らなかった」と言えるのですが、それでいいのでしょうか。このとき、1名の欠員状態なわけですが、従業員数が100人の企業で1名欠員なのと、従業員数5名の企業で1名欠員なのとでは、人手不足の程度も異なりますよね。そうしたことを踏まえなくても、とにかく「充足には至らなかった」と言えたら何でもいいんでしょうかね?
また、実際に採用に至らなかったことを証明することってどうやったらいいんでしょうかね。広告が掲載されてから当面、雇用契約書がないこと(足りないこと)や、賃金台帳がないこと(足りないこと)が言えたらいいのでしょうか。また、広告掲載期間内の採用がないことなのか、それとも広告掲載期間からある一定の期間内の採用がないことなのか??
なお④については、公募要領によると「例外的な扱いとなり 、 具体的な省力化投資の必要性の説明を含め、 より詳細な事業計画の策定((3)に記載)が必要となる。」と書いています。つまり①~③のように明確にエビデンスはないが、とにかく省力化が必要という場合ですが、これはどういう場合でしょうか。例えば納期が遅延してクレームになっているとか、達成すべき出来高が達成できていないとか、そういう場合でしょうかね。これらの状況にもかかわらずエビデンスがない場合が④なんでしょう。確かに、こうしたケースと、残業や増員の必要性が直接関連するわけではないというのは理屈の上ではわかるのですが、実際にそういうことはありうるの?という気もします。(小規模企業とかスタートアップ企業とかだとあり得るんですかね……)
この④がどういうケースを想定していうのか、ぼくの足りない頭では全くイメージができません。確かに公募要領は、ある程度の解釈の余地を残すことが一般的ですし、より多様なビジネス状況に対応しようとしているでしょう。実際には各申請者が自身の状況を考慮して最適な方法を選択することが期待されているのかもしれませんが、これは悩みますよねえ。