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従業員のやる気は、理解や共感、納得感が得られる「環境」「場」で培われる

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

従業員のモチベーション・やる気といったものを考えるとき、上から下への一方的な伝達や、単なる制度(評価制度や給与制度)の整備だけでは不十分だと思っています。では、何が重要でしょうか。それは「環境」「場」だと僕は思っています。

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人のやる気は環境で決まる

人のやる気は、働く人々を取り巻く要素(企業における環境だけではなく、私生活における環境も含めて)が相互に影響しあい、変化すると考えています。特に「組織に存在する人」が重要で、理解や共感、納得感を得て、人は動くと考えています。

僕にも経験があるのですが、子どもが産まれるというのはかなり大きな環境の変化です。従来は、大人である妻と二人で暮らしていたところに、食事から排泄から健康管理、遊びなどなど、全てを他人に依存する存在(=乳児)が急に出現するわけですから、家事や子育てに時間を割かなければなりません。そうなると、僕自身のやる気・モチベーションの源泉も変化をします。

そのようなときに、会社がどのような理解や共感を示すかというのは非常に重要です。法律上は育児休暇の制度というものはありますが、そういう制度を整備しているからといってモチベーション・やる気が高まるとは限りません。世の中でよく言われるように、制度はあっても、それを使うことをよしとしない「空気」が会社にあれば、やる気の阻害要因になるからです。したがって、このような変化に対しても、理解や共感、納得感が得られる「環境」(「場」といってもよい)が必要だ、ということです。

理解や共感、納得感が得られる「環境」「場」とは何か

このような「環境」「場」とは、人々がそこに参加し、意識・無意識のうちに相互に観察し、コミュニケーションを行い、相互に働きかけあい、相互に心理的刺激をする、その状況の枠組のことをいいます。簡単に言うと、本音で話せる場、とでもいいましょうか。中村(2011)や、伊丹(2005)といった経営学者も、「場」をマネジメントするために、どのような管理ツールが必要かを明らかにしていますが、こういった場を設定することは、金銭的誘因よりも社会的誘因となるため、従業員のやる気が高まることを、ruggenn&Moes(2007)を引用し明らかにしています。そして、近年注目されている「ティール組織」でも、全体性(ホールネス)という用語を使い、本来の自分のままでいられる環境が重要であることを述べています。

理解や共感の場をつくるにはどうすればよいか

経営者がどんなに素晴らしい戦略や計画を考え、制度を構築したとしても、実行するのは現場の従業員です。その従業員のやる気を左右する要因は、会社の内部だけにあるのではありません。前述の通り、子どもが産まれるなどというプライベートでの環境変化も要因になっているのです。そうなると、戦略や計画、制度を作るだけでは従業員のニーズを満たすことができません。

具体的にはどうすればよいかということですが、近年よく事例として「ワンオンワン(1on1)ミーティング」が挙げられますが、これは一つの実現方法として考えられます。「ワンオンワン(1on1)ミーティング」とは、上司と部下が、比較的短い間隔で(例えば週に1度など)、30分~1時間程度、1対1で話し合う場のことです。これも上司が一方的に説得や説明をするのではなく、できる限り多くを部下に話させることがよいとされています。こういう場を作ることは、従業員一人一人のニーズをすくい上げることになるのはもちろんですが、なによりも「自分の意見を聴いてくれた」という実感を従業員が抱くことができます。全てのニーズを満たすことは困難ですが、せめて「聴いて受け止める」ということは最低限のこととして、経営側がやるべきことです。

また、5S活動や目標管理制度を運用する上でも、皆で話し合って決めるという場を作ることは有効です。特に5S活動は、誰でもアイデアが出せる上、やれば必ず効果が見える上、他人に成果を認めてもらいやすいという利点があり、結果として従業員のやる気を高めることになります。グループで話し合い、整理整頓の改善の余地がある場所を探したり、改善のアイデアを全員で話し合うような場を作ることは、5S活動のやる気を高める上でも有効だと、これまでの支援の中で感じています。

中小企業においては、組織の規模も小さいことから、このような本音で話し合う場の導入は、大企業と比べても容易だと思います。

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