おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
過去3年にわたり、IT導入補助金の加点項目のひとつに「おもてなし規格認証取得」がありました。無料の「紅認証」でも補助金の加点になっていたのですが、この無料の「紅認証」は2020年から実質的に廃止となったようです。
スポンサーリンク
おもてなし規格認証2020について
一般社団法人 サービスデザイン推進協議会の「おもてなし規格認証」のホームページでは、「おもてなし規格認証2020」についての告知がなされています。
無料の「紅認証」は、条件付きでの登録受付となった
この告知の中に、無料の「紅認証」については次のような記載がありました。
・認定機関が運営するおもてなし規格認証ホームページでの紅認証の登録受付は行いません。規格項目の自己適合を確認するためのセルフチェックシートの配布はホームページ上で引き続き行います。
・地域、業種の個別事情に対応するため、紅認証を活用する独自施策を認証機関、認証支援事業者が行いたいときには、認定機関が認めることがあります。この場合も紅認証の登録には認証機関、認証支援事業者との対話、具体的には金認証・紺認証の取得意欲確認等を伴うものとします。
・自治体、地域の商工会・商工会議所等の支援機関が行う施策において、紅認証を活用したい時には各認証機関にご相談ください。認証機関は認証方針に基づき、その施策の金認証、紺認証の取得促進計画等を確認のうえ検討します。
はっきりいってよくわかりませんね。これを理解するためには、「おもてなし規格認証」の仕組みを理解する必要があります。
上記のように、認定機関が認証機関を認定し、その認証機関がサービス事業者(おもてなし規格認証をうけたい企業)を認証するというスキームになっています。ISOマネジメントシステムの認定・認証のスキームと同じですね。
そして「紅認証」については、「地域、業種の個別事情に対応するため、紅認証を活用する独自施策を認証機関、認証支援事業者が行いたいときには、認定機関が認めることがあります。」とのことです。制度としては残っていますが、認証機関の意思と、認定機関の認定が必要になっており、一事業者が「紅認証したい」と思ってもどうにもならない仕組みとなったようです。
2020年2月25日現在、6認証機関があるが、「紅認証」に対応している機関はゼロ
2020年2月25日現在、6認証機関があるが、「紅認証」に対応している機関はゼロです。今後、「紅認証」の登録受付をする認証機関がでてきて、認定機関の認定を受けないとは言い切れませんが、少なくともこの時点では「紅認証」は申請ができないようです。
無料の「紅認証」は、制度として残ったものの、事実上廃止だと考えてよいのではないかと思われます。
IT導入補助金の加点はどうなる?
過去3年間にわたり、「おもてなし規格認証」を加点項目としてきたIT導入補助金ですが、今年の公募ではどうなるでしょうか?
予想の一つとしては、おもてなし規格認証はIT導入補助金の加点から外れるということですが、これはあまり考えられないのではないかと思っています。経産省や一般社団法人 サービスデザイン推進協議会から見ると、IT導入補助金と抱合せで有償の認証を増やすチャンスですからね。
そしてもうひとつの可能性は、有償の認証「金認証」「紺認証」の取得を加点とする事でしょう。こちらのほうが可能性が高いと思います。
「金認証」「紺認証」の取得にかかる費用は次のとおりです。(いずれも審査が伴います)
★(金認証)取得にかかる費用
審査料 |
20,000円 |
---|---|
認証料 |
10,000円 |
更新料 |
10,000円 |
★★(紺認証)取得にかかる費用
審査料 |
100,000円 |
---|---|
認証料 |
50,000円 |
更新料 |
50,000円 |
なお、2019年に紅認証のみを登録した場合の有効期限は、2020年3月末日です。2019年の紅認証はまもなく失効するため、これが2020年実施IT導入補助金の加点となることはないでしょう。