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何かに取り組む前に、実態を「見せる」ことが人を動かす

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何か新しい制度や仕組みを導入するときには「なぜそれをやるのか」ということを、組織内で納得させることがとても重要です。「納得させる」と文字で書くと簡単ですが、実際はそれほど簡単ではありません。僕は「実態を見せる」ということがその方策の一つではないかと考えています。それを痛感したエピソードを紹介します。

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新規事業に乗り出す司法書士

土地・家屋の登記や遺産相続手続き等を行う、主に個人を対象とした司法書士事務所でのお話です。僕もそうですが、士業というものは、資格を取ったら安泰だということはありません。司法書士の業界もそうでして、最近では司法試験合格者の増加を受けて、競争が激しくなっています。試験に合格した弁護士が、登記や債務整理といった司法書士の領域に乗り出してきているのです。

そこでこの事務所の所長は、新規事業を立ち上げることにしました。所長は新規事業の立ち上げに専念することとなり、既存事業の管理に時間を割けなくなったのです。所長は、しっかりした組織を作ることに決めました。所長の下に部門長を3人設け、それぞれの部門長に担当業務を遂行する上での権限と責任を移譲しました。所長は、部門長をはじめとする所員の自主性を高め、自律しながら成長する組織づくりを目指して、部門単位での目標管理制度も導入しました。

制度導入後の組織

司法書士に限らず、士業は有資格者であれば一人で出来る業務がほとんどであり、いわゆる「一匹狼」でも業務を回すことができます。そのような事情もあってか、こちらの事務所でも、業務の進め方は各個人の裁量に任されていました。しかしこの度、組織だった目標管理制度を導入したことで、僕には不安に思える点がありました。それは、職人肌で一匹狼であった部門長の存在です。この部門長は、組織化と制度導入に抵抗するのではないという懸念でした。部門長は、後輩の面倒は見ず、業務のやり方は「見て覚えろ」という姿勢でした。その一方、業務は自分がやったほうが早く終わるからという理由で、業務を後輩に任せることもありませんでした。

ところがです。この部門長のもとで、目標管理制度は有効に機能しました。目標を部門の皆さんでたて、毎週の会議で進捗状況と実行状況を全員で確認するようになったのです。課員からも積極的に意見が述べられるようになりました。育成のためのマニュアルを作り、OJTによる部下の教育を徹底するようになりました。その結果、それまでは修得に時間がかかっていた非定形的な業務を、入所半年の所員が一人でこなせるまでに成長しました。

実態を可視化したことが、変化のきっかけ

僕がこの部門長に話を聞くと、

「(組織化と目標管理制度の導入前に実施した)所員の意識調査の結果から、入所した所員がほとんど成長していないことがわかったんです。大所帯となった今の組織で、これまでのように自分ひとりで仕事を抱えていては事務所のためにならないと思ったので、部下の意見を聞き、仕事を任せてみようと思った。」

と話してくれました。

このことは、僕の経験にとてもプラスになっています。何かを変える時には、順序が大切だというとです。この時は、まず所員の意識調査を行い、その実態を数値化して、可視化をしました。そのデータを幹部のみならず、所員全員と共有したのですが、部門長にとっては、自分の部下指導の結果を突き付けられたわけですから、辛い思いもしたかもしれません。しかし結果的にそれが部門長に内省を促し、行動を変えることになったのです。この可視化・共有というプロセスがなければ、内省も生まれることがなく、制度導入は成功しなかったことでしょう。

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