おはようございます。マネジメントオフィスいまむらの今村です。
昨日当社のお客様より「事業再構築補助金では収益納付の義務はないと事務局に言われたのですが」という質問を頂きました。そんなはずはないのに……と思い改めて調べましたが、交付規定にはちゃんと収益納付のことが書かれていました。
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「事業再構築補助金では収益納付の義務はない」?
見出しで書いたとおり、当社のお客様より「事業再構築補助金では収益納付の義務はないと事務局に言われたのですが」という質問を頂きました。
収益納付というのは、補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を国庫へ返納することです。誤解を恐れずにわかりやすくものすごく簡単にいうと「補助金をもらって行った取り組みで利益がでたら、補助金を返しなさい」という条件のことです。
収益納付については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)の規定(第七条第2項)に基づく処置です。
なお、補助金適正化法における「補助金」とは、国が国以外の者に対して交付するものを指します。
第七条 各省各庁の長は、補助金等の交付の決定をする場合において、法令及び予算で定める補助金等の交付の目的を達成するため必要があるときは、次に掲げる事項につき条件を附するものとする。
(中略)
2 各省各庁の長は、補助事業等の完了により当該補助事業者等に相当の収益が生ずると認められる場合においては、当該補助金等の交付の目的に反しない場合に限り、その交付した補助金等の全部又は一部に相当する金額を国に納付すべき旨の条件を附することができる。
(後略)
たしかに法律上は「納付すべき旨の条件を附することができる」と書いているので、収益納付を適用しない補助金制度を設けることも法律上は可能です。しかしものづくり補助金や持続化補助金など、経産省のメジャーな補助金施策で収益納付の規定があることから、事業再構築補助金だけが例外というのはちょっと考えにくいものがあります。というわけで、事業再構築補助金の交付規定をちゃんと調べてみました。
事業再構築補助金交付規定第26条に収益納付に関する規定が
令和二年度第三次補正中小企業等事業再構築促進補助金交付規定が事業再構築補助金事務局のホームページに掲載されています。
この資料の第26条(P8)に収益納付についての記述がありますので、引用します。
補助事業者が補助事業の事業化、知的財産権の譲渡又は実施権の設定及びその他補助事業の実施結果の他への供与による収益が生じたことを確認したときは、補助事業者に対し、補助金額を上限とする金額を納付させることができるものとし、補助事業者は当該納付命令にしたがって納付しなければならない。
ということで、事業再構築補助金でも収益納付は適用されることが、交付規定に明記されていますね。
なぜ事務局が「収益納付の義務はない」という回答をしたのかはわかりません
交付規定で収益納付について規定されていたので、収益納付の義務はあると解釈するのが正しいです。(さすがに事務局の人がそう言ったとしても、公開されている公式の交付規定の記述のほうが優先されるでしょう)
なぜ事務局が「収益納付の義務はない」という回答をしたのかは、私が直接コミュニケーションをしたわけではないのでわかりません。尋ね方にもあいまいさがあったのかもしれません。また、当社として改めて事務局に尋ねてみるということもするつもりはありませんが、「収益納付の義務あり」と理解して間違いはありませんね。