おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015 各箇条解説シリーズ。今日は7.3「認識」の説明をしたいと思います。なぜ「認識」を持ってもらう必要があるんでしょうか?そうしたそもそも論も含めて、箇条7.3の規格要求事項を説明します。(全2回)
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箇条7.3「認識」 の位置づけ
それでは今日のテーマである箇条7.3「認識」 の位置づけについて確認しましょう。
まずISO14001の出発点でもある箇条4では、組織をとりまく課題や利害関係者のニーズ・期待などを考慮して、環境管理の仕組みをつくる手筈を整えました。
環境管理の仕組みを作ったら運用をしていくわけですけれども、経営者の「やるぞ!」という決意や、経営者自身による率先がなければ、どんな良い仕組みであったとしても、うまく運用することはできません。トップがやる気にならないものは、部下もやる気にはなりませんからね。そこで、箇条5では、トップマネジメントが果たすべき役割について定めましたね。
つづいて箇条6では、皆さんがたの仕事のなかで、環境に影響を与える要因や、リスクと機会、そして環境に関する法令などを明らかにして、その上で環境に関する計画や目標を定めてきました。
箇条7では、その計画・目標などに取り組むために必要な人材、道具、設備、インフラなどを準備します。
そして今日説明をする箇条7.3「認識」では、皆さんがたの会社で働く人の、環境に対する認識を高めましょう、といっています。
なぜ「認識」を持つ必要があるのか
そもそもの話ですが、なぜ「認識」なんてものを、みなさんがたの会社で働く人に持ってもらう必要があるんでしょうか。これは「認識」がブレると、行動が変わってしまうからですね。
例えば、製造現場でシンナーとかアルコール類を使っているとします。缶の底にちょっと余ったりしますよね。そうした時に「シンナーをちょっとくらい下水に流しても大丈夫だろ?」と思う人がいれば、もしかしたら本当に下水に流してしまうかもしれません。
でもシンナーとかアルコール類のような、揮発性の高い危険物を下水に流すと、水質汚染になるのはもちろんですが、下水管が爆発する可能性があるんですよね。その人じゃなくても、だれかが怪我をしたりする可能性もあるわけです。
こうしたことを「認識」していれば、そんなことはしないでしょうけど、まったく「認識」していない人だったら、ちょっとくらい大丈夫だろうと思ってやりかねないですよね。
このように、認識があるかどうかが、その人の行動を左右する要因のひとつなんですよね。もちろん、認識していてもダメなことをやってしまう人っていますけれども、最低限の認識は持っておかないといけないんでしょうね。