おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
内部監査レベルアップ講座、今回は内部コミュニケーションについて解説します。不良の発生や法令違反など、不適合の原因を辿っていくと、かなりの確率で内部コミュニケーションの不具合にたどり着くのではないかと思います。不適合の根本原因筆頭候補ともいえる内部コミュニケーションについて、内部監査でどうやって改善の機会を見つけるかを解説をします。第3回目は「内部コミュニケーション」を内部監査する際の着眼点を説明します。
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【内部監査レベルアップ講座】内部コミュニケーションを内部監査する(1)
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【内部監査レベルアップ講座】内部コミュニケーションを内部監査する(2)
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内部コミュニケーションを内部監査する際の着眼点(1:不適合に注目)
では内部コミュニケーションを内部監査する際の着眼点について説明をします。やっぱり、内部コミュニケーションがうまく機能していないところに焦点を当てて監査をしたいですよね。ということで、起きてしまった不適合のうち、内部コミュニケーションに原因があると思われるものをまずはピックアップしたいところです。
例えば、製造現場で、新しい作業手順を理解していなかったことが原因で、不良が起きたようなケースがあったとします。そのケースを取り上げたら、次に確認したいのは、監視・測定・分析・評価のステップが機能していたのかどうかです。
新しい作業手順を現場の作業者にちゃんと伝えたのか、現場の作業者はちゃんと理解したのか、確認する仕組みがちゃんと機能したのかということを、内部監査で調べます。こういう仕組みがそもそもないという場合は、確認する仕組みづくりを改善の機会として指摘することができるでしょう。続いて確認するのは、伝達方法特定のステップが機能していたのかどうかです。具体的には、伝達の方法・媒体・場などが適切であったかを確認します。新しい作業手順書が、単にメールで一方的に送られただけならば、伝達方法としてじゅうぶんではなかったかもしれません。社内講習会をやるとか、講習会で一斉に集まるのが難しいならば、動画で説明を残すとか、そういう伝達方法も取れたかも知れませんよね。そうした可能性から、改善の機会を指摘することができるかもしれません。
内部コミュニケーションを内部監査する際の着眼点(2:内部監査で監視や測定をする)
内部コミュニケーションに原因があると思われる不適合がなかったらどうでしょうか。そのようなときは、内部監査の機会を利用して「監視・測定」をしてみる、というのも一つのアイデアです。要は、内部監査員が現場の作業者にヒアリングをして、情報が会社や上司から伝達されたかどうか、伝達されていたとしても、ちゃんと理解できたかどうか、というのを確認するということです。
これは内部監査員だからこそできることと言って良いでしょう。というのも、上司が言ったことが理解できたかどうかを、直属に上司に正直にいうのは、やはり憚られます。わかってなくても、直属の上司には「わかりました」と言ってしまうのが人情ですよね。これはその人が悪いというのではなく、職制で動いている組織であれば仕方のないことです。ですので、直接のしがらみの薄い内部監査員が「ホントのところはどうだったの?上司の説明、わかった?ここだけの話にしておくから、わからなかったのなら、正直に言ってみて」と尋ねたほうが、現場従業員の本音が聞き出しやすいでしょう。もちろん、発言者のプライバシーが守られるかたちでヒアリングをしないと、正直に話してくれないでしょうけどね。そこからは先程と同じように、伝達方法特定のステップに問題がなかったかどうか、話を広げていくというやり方ができるでしょう。
3回にわたり、内部監査レベルアップ講座「内部コミュニケーション」について解説をしましたが、いかがだったでしょうか。内部コミュニケーションはとても大切です。内部コミュニケーションのポイントは、情報をわかりやすく伝えることと、相手が理解したかどうかを確認することです。この2点を覚えておいて頂いて、良い組織を作っていただければと思います。