おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
先日リリースされたChatGPTのDeepResearchという機能ですが、これを使うと「もうコンサルはいらないんじゃないか?」という説が、まことしやかに流れています。果たしてDeepResearchがあれば、本当にもうコンサルなんかにお金を払わなくてもいいのでしょうか?現役の経営コンサルタントであるわたしが、私の専門分野(ISO9001コンサルティング)におけるChatGPTのDeepResearch結果を検証してみたいと思います。
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前回までの記事はこちら
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DeepResearchでコンサルいらずって本当?現役コンサルタントが検証(1)
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DeepResearchでコンサルいらずって本当?現役コンサルタントが検証(2)
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DeepResearchの調査結果を俯瞰的に見る
一つ一つ見ていくとそれほど問題がないように感じますが、俯瞰的に見ると、ちょっと疑問に思うことがいくつかあります。
まず「何をどこまで文書化すべきか調査して」という要望に一部答えているが、文書管理方法についての説明のほうが手厚く、回答の焦点がズレている、ということですね。これは初回でも話しましたが、尋ねていることよりも、ちょっとズレた回答のほうが手厚くなっていて、違和感があります。
続いて、「何をどこまで文書化すべきか調査して」という要望に、例を挙げただけで必要最低限のラインや、どこまでやれば十分か等の線引が明確でない、という点ですね。つまり尋ねたことにダイレクトに答えていない、という印象があります。
3つ目です。「実運用では、新規供給者と既存供給者を明確に区別して扱うことが一般的であるが、調査結果ではその区別が曖昧である」という点を挙げたいと思います。よく読むと、新規供給者と既存供給者については、それとなく区別をしているような書きっぷりになってはいるのですが、もう少し明確にしないと、初心者には分かりづらいと思います。
そして最後「リスクベースアプローチ(リスクの大きさに応じた文書化のレベルを変えるべき)という視点が言及されていない」という点ですね。これは結構大きな問題ですね。リスクベースアプローチは、ISO9001:2015の大原則のようなものです。要は、リスクが高い外部提供者は手厚く管理し、そうでない外部提供者はそれなりに扱う、ということなのですが、これが最初の質問である「何をどこまで文書化すべきか調査すればよいか」ということに大きく関わりがあります。このリスクベースアプローチについて言及がない、というのは、大きな欠落だと思います。
一つ一つの調査結果にはおかしなところがなくても、全体として見たときに、違和感があったり不足があったりする、というのが、今回の検証結果のまとめと言ってよいと思います。
DeepResearchが参照したサイト
ところで、参考までに、DeepResearchが参照したサイトを見てみましょう。
日本語で書かれたサイトが3つです。うち、2つが民間コンサルティング会社で、1つが第三者認証機関のサイトでした。ちなみに、参照された2つのうち1つは、当社、マネジメントオフィスいまむらのサイトでした。これは素直に嬉しいですね。ChatGPTに、参照する価値があると認められたようなものですからね。
そして驚いたことに、英語のサイトも3つ参照しています。日本語でプロンプトを入力したら、日本のサイトしか調査をしないのでは?と思っていたのですが、どうもそうではないようですね。広く調査をするというのは、よいことだと思います。ただ、調査をしてもらったテーマがニッチだったからか、参照サイト数が全部で6つというのはちょっとさみしいような気もしますね。他のテーマだと、もっとたくさん参照するんでしょうけどね。
調査結果のまとめ
3回にわたり、現役コンサルタントとして、私の専門分野におけるChatGPTのDeepResearch結果を検証してみたわけですが、いかがだったでしょうか。
結論としては「まだまだだな」という印象です。点数は60点くらいあげてもいいかな、という感じですかね。今回のようにニッチなテーマだと、まだまだその道の専門家のほうが、的確な調査ができるのではないかと思います。ニッチなテーマになると、Webには情報が転がっていないので、DeepResearchといえども十分なネタを引っ張ってこれないのだと思いますね。
このあたりは生成AIの限界といえるでしょう。この先、汎用AIが世に出てくるようなことがあれば、また変わってくるのかもしれませんけどね。