おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
今日は「ISO9001の審査でよくある不適合トップ10」について、具体例とともに解説をします。今回は4位~7位についてです。
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審査前に必見!ISO9001審査“不適合”あるある10選(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 今日は「ISO9001の審査でよくある不適合トップ10」について、具体例とともに解説をします。まずは1位~3位についてです。 もくじ ...
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【参考資料】ISO 9001 Top 10 Finding in 2019: Practical Actions For The Future (DNV-GL, 2019)
箇条8.1「運用の計画及び管理」
第4位は箇条8.1「運用の計画及び管理」です。
この箇条では、「製造やサービス提供に直接関係する仕事(つまり現場の仕事)のやり方を決めて 実行し 管理をすることが求められています。
この箇条での不適合の例は、やはり変更管理に関するところかな?と個人的には思います。例えば「仕事のやり方を変えたのに 変更の影響を評価せずにそのまま運用していた」というような場合ですね。具体的には、現場で段取り方法の改善策を試してみたら、結果が良かったため 正式な変更手順を踏まずに新しい方法で作業を続けていた、というようなケースです。改善するのはいいことなんですが、何かを変えると、それにともなっていろいろ不具合などが出てくる可能性があります。そうした不具合の可能性をあらかじめ確認して、必要な手を打ってからやり方を変える、というのが、この箇条で求めていることです。
箇条7.1.3「インフラストラクチャ」
第5位は箇条7.1.3「インフラストラクチャ」です。
この項目では、仕事をするうえで必要となるモノ──つまり、建物、設備、機械、ITインフラなどをきちんと使える状態に保つよう、管理することを求めています。
起こりそうな不適合の例としては、「設備が壊れているのに、そのまま使い続けている」というケースです。たとえば、生産設備の土台部分が経年劣化でひび割れを起こしていたら、その影響で機械の水平が保てず、製品の寸法精度にバラつきが出ていた、なんてことが起こります。このような状態は、「インフラを適切に維持管理している」とは言えませんので、不適合と判断されるでしょうね。
箇条10.2「不適合及び是正処置」
第6位は箇条10.2「不適合及び是正処置」です。
この要求事項では、クレームや不良などの問題が起きたときに、その場で対応するだけでなく、なぜ起きたのかを分析して、同じことが二度と起きないように対策することが求められています。ちょっと悩みましたけど、
この箇条で起こり得る不適合は、「再発防止策は立てて実行したが、同じ工程を持つ他の拠点や部署に展開すべきかを検討していなかった」というケースがあるかな、と思います。特に拠点をまたぐような横展開は漏れる可能性があるので、気をつけたいところですね。本社あたりが、拠点間の横展開を管理するのがいいんでしょうけどね。
箇条9.2「内部監査」
第7位は、箇条9.2「内部監査」です。
内部監査では、自分たちのルールに沿って仕事がされているか、ちゃんと成果が出ているか、などを、社内の別の人の視点でチェックすることが求められます。いわば、社内での自己点検ですね。
内部監査で起こり得る不適合は「機能・部署・製品・要求事項等の一部が 監査されていない」というケースです。たとえば、A工場にある○○工程。これは主要な製造プロセスの一つなのに、長年にわたって一度も内部監査の対象になっていなかったという感じかな、と思います。
ISOの規格では、監査の頻度や範囲を、リスクや重要性に応じて計画することになっていますが、重要な工程が長年内部監査の対象になっていなかった、というのは、ただでは済まされないかなと思います。こういった内部監査の対象に偏りがあることは、たまに見かけますね。「どこをいつ見たか」「どこが見れていないか」をちゃんと把握しながら、計画的に内部監査を回していくことが大切ですね。
次回は8位以降を解説します。