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経済産業省「平成31年度 中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイント」を読む

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

8月31日、経済産業省は平成31年度当初予算についての中小企業・小規模事業者関係の概算要求に関する資料を開示しました。その中から、平成31年度当初予算で行われる施策について考察をしたいと思います。

もくじ

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経済産業省の発表資料

経済産業省の発表資料はこちらから確認できます。

①事業承継・再編・統合等による新陳代謝の促進 【31年度概算要求 127億円(30年度当初予算 69億円)】

個人事業者の事業承継を円滑化するための措置【創設】

新しい施策のようです。個人事業者について、先代経営者から後継者への事業用資産の承継を円滑に進めるための税制関連措置だそうです。

中小企業のM&A(親族外承継)を円滑化するための措置【創設】

新しい施策のようです。一定の要件を満たす事業承継ファンドから出資を受けた際も中小企業税制の適用を可能とする要件緩和措置とのことです。

事業承継・世代交代集中支援事業 【45億円(新規)】

新しい施策のようです。事業承継ネットワークをベースとし、より細かい地域単位で専門家派遣など踏み込んだ支援を行う「プッシュ型事業承継支援」を行うとのこと。「より細かい地域単位で」とあるので、よろず支援拠点や商工会議所等を通じた専門家による支援施策でしょうか。

中小企業再生支援・事業引継ぎ支援事業 【77億円(69億円)】

従来の施策の継続です。後継者問題を抱える中小企業・小規模事業者の事業承継の円滑化を図るために、事業承継に関する適切な助言、マッチング支援等をワンストップで行う。また、創業希望者と後継者不在事業主等とのマッチングも行う施策です。

②生産性向上・働き方改革・人手不足対策 【31年度概算要求 481億円(30年度当初予算 319億円)】

ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業 【100億円(新規)】

ご存知「ものづくり補助金」が当初予算に計上されました。詳細は不明ですが、平成30年度補正予算と平成31年度当初予算の両方で予算化する「15ヶ月予算」により、切れ目のない支援をするのが目的だと思われます。100億円という予算額は従来の予算額よりはるかに少額ですが、これはあくまでも当初予算ですね。平成30年度補正予算の詳細を待ちたいと思います。

詳しくは下記の記事で考察しています。

【平成30年度補正・31年度当初予算】ものづくり補助金を切れ間なく行う「15ヶ月予算」?

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地方公共団体による小規模事業者支援推進事業(自治体連携型持続化補助金) 【10億円(新規)】

これは「地方公共団体が商工会・商工会議所等を活用しながら、小規模事業者等に対して、経営計画を作成する取組や、その経営計画に基づき販路開拓に取り組む費用を支援する」とあります。従来行われていた「小規模事業者持続化補助金」と似ているように見受けられますが、小規模事業者持続化補助金も従来は補正予算によって執行されていた施策です。これもものづくり補助金と同様、15ヶ月予算化による切れ目ない支援を目的として、当初予算に計上された可能性がありますね。

経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業【61億円の内数(32億円の内数)】

29年度補正、30年度当初予算でも計上されていた施策です。中小企業向け行政サービスのデジタル化(補助金申請のワンスオンリー化、プッシュ型情報発信)等の環境を整備するための事業とあります。経済産業省の主要行政手続の簡素化・デジタル化への取り組みについての予算のようですね。

③地域の稼ぐ力の強化・インバウンドの拡大 【31年度概算要求 338億円(30年度当初予算 251億円)】

地域未来投資促進事業 【167億円(162億円)】

平成30年度当初予算でも予算計上されていた事業です。中小企業が地域中核企業等と連携して行う活動を、新たな技術・サービスモデルの開発から市場獲得まで一体的に支援する事業であり、地域未来投資促進法の計画承認を受けた中小企業に対する支援策ですね。

(この事業、いまいちメリットがピンとこないんですよね……)

地域まちなか活性化・魅力創出支援事業 【14億円(新規)】

新しい施策です。魅力的な生活環境、商業・サービス業等の事業・起業環境や観光資源の整備等の観点から、中心市街地における波及効果の高い複合商業施設等の整備や、商店街における先進的なチャレンジや商店街が地域で必要とされる機能の強化を支援する、とあります。街づくりや商店街振興のための補助金でも交付するのでしょうか。

国内・海外販路開拓強化支援事業 【27億円(新規)】

新しい施策です。新商品・サービスの開発・販路開拓事業や、海外販路開拓に向けたブランド確立事業、民間事業者等のノウハウを活用したマッチング・海外展示会等を通じた販路開拓等の支援を行う、とあります。新規施策ですが、ふるさと名物応援事業補助金(JAPANブランド育成支援事業)に似てるような印象もあります。

④災害からの復旧・復興、強靱化

中小企業等強靱化対策 【10億円(新規)】

新しい施策です。BCPの取組事例や早期復旧事例などを広く紹介するとともに、サプライチェーンに位置づけられる中小企業等のBCPの策定を支援し、そうした取組を横展開することによって、中小企業の防災意識の啓発、強靭化に向けた取組の促進を図る施策とのことです。BCP専門家派遣か、窓口相談か、BCP策定企業に対する補助金か、そんなところでしょうか。

⑤経営の下支え、事業環境の整備

中小企業対応、商店街振興、耐久財消費などについて、消費税率引上げに伴う需要平準化対策を別途検討中(事項要求)だそうです。個人的には、厳しくなりつつある(ような気がする)信用保証が認められやすくなるように取り計らってもらいたいところです。お金借りたくても借りられない企業がたくさんあって、困ってるんですよね。

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