おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
2月5日、中小企業庁より平成31年度当初予算事業「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」(「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」)に係る事務局の募集及び同補助金の事前予告が公表されました。この事務局公募要領と交付要綱案を見ながら、「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」(「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」)の事業概要をまとめたいと思います。
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そもそも「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」と「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」は異なる
よく似たような施策がたくさん乱立していてややこしいのですが、2月5日に事前予告された「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」と、昨年12月28日に事前予告された「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」は全く違う施策です。
その違いを下記に簡単にまとめましたのでご参考ください。
平成31年(2019年)実施 「ものづくり補助金」についての公表資料
この記事の更新時点(2月6日)で、中小企業庁から下記の資料が公表されています。
なお、ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」の予算額は50億円であることが公表されています。
公募は複数回にわたって実施?
事務局公募要領にははっきりと「複数回の公募申請受付を予定」と書かれています。これは2次公募のことを指している可能性があります。ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」でも、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業「一般型」「小規模型」と同様、2次公募があるかもしれません。
ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」の事業類型
事務局公募要領によると、ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」の事業類型の詳細は次の通りです。
なお「企業間データ活用型」の場合には、次のケースにおいて補助率2/3にかさ上げがされる予定です。
- 生産性向上特別措置法(平成30年法律第25号)に基づき、固定資産税ゼロの特例を措置した地方自治体において補助事業を実施する事業者が、平成30年12月21日の閣議決定後に先端設備等導入計画を新たに申請し認定を取得した場合
- 3~5年で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%に加え、「従業員一人当たり付加価値額」(=「労働生産性」)年率3%を向上する中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画を、平成30年12月21日の閣議決定後に新たに申請し承認を受けた場合
(上記の法律に基づく計画は、応募段階には計画申請中等で認める予定)
また「地域経済牽引型」の場合には、次のケースにおいて補助率2/3にかさ上げがされる予定です。
(上記の法律に基づく計画は、応募段階には計画申請中等で認める予定)
ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」対象経費について
事務局公募要領には、「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」の対象経費が記載されていました。
下記の経費は、「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」(企業間データ活用型・地域経済牽引型)の対象外のようです。
- 原材料費
- 外注加工費(ただし税抜の補助対象経費総額の1/2まで)
- 委託費
- 知的財産権等関連経費
補助金を申請してから交付されるまでのスケジュールは?
中小企業庁の告知ページには、次のような記載がありました。
上記事務局の決定後、実施事務局が、複数の中小企業・小規模事業者等が連携して取り組む高度なプロジェクト等のための設備投資等の一部を補助する事業の、事業者向け公募を行う予定(平成31年度当初予算成立から1か月程度後)です。
例年だと当初予算の成立時期は3月下旬です。したがって、「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」(企業間データ活用型・地域経済牽引型)の公募開始も4月以降となると思われます。あくまでも2月6日時点での当社の予測にすぎませんが、次のようなスケジュールになるのではないかと予想します。(あくまでも予想です)
審査項目最大のポイントである「革新性」について
ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」でも、「革新性」が大きく問われるものであることは確実です。革新的なものを採択するのがこの補助金の目的です。反対に、革新的でないもの――例えば古くなった設備を更新するだけ――は、まず採択されないと思って間違いありません。
革新性とは簡単に言うと、「自社になく、他社でも一般的ではない、新しい取り組み」のことです。他社でも一般的ではないということなので、必ずしも取り組む内容が日本初や世界初のようなナンバーワン、オンリーワンでなくても構いません。しかし、一般的ではないことを根拠を添えて記述する必要があります。
革新性についての解説は下記のリンクをご参照ください。
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「ものづくり補助金」審査上最大の論点"革新性"とは何か
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設備の新しさや珍しさだけを推すのは、ものづくり補助金の「革新性」としてはかなり弱い
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連携体であればなんでもよいという訳ではない。モデルとなった「松坂クラスター」に類する取り組みであることが求められる
補助上限額も2,000万円と高額なので、とにかく連携体で申請をしたいと考える企業もいると思います。しかし、連携体であればなんでもよいという訳ではないでしょう。昨年、兵庫県中小企業団体中央会は説明会の席上で「企業間データ活用型は松坂クラスターをモデルとしている」と話していました。松坂クラスターのモデルと類する取り組みでなければ、要件を満たさないとして不採択になる可能性は大いにあるでしょう。
https://imamura-net.com/blogpost/2002/
補助金の申請に限りませんが、一般的に複数企業が共同で一つのプロジェクトを推進するというのは多大な困難が伴います。うまくいった事例を僕はほとんど見たことがありません。補助上限額に目がくらみ、できもしないような連携体を組んでしまうと、後々後悔するのは自分自身です。補助金のための経営、補助金のための事業にならないようにご留意ください。