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【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(4)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

トップに対する内部監査は、一般的に、儀礼的で紋切り型の監査に終止しているケースが多いんじゃないかと思います。今日はそんな厄介なトップに対する内部監査に関して、トップマネジメントに対する内部監査の留意点をまとめます。

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前回までの記事はこちら

【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(1)

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【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(2)

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【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(3)

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トップに対して内部監査をする場合の留意点

トップに対して内部監査をする場合の留意点についてまとめておきます。

内部監査の目的と対象範囲を忘れないこと

最初の点は、内部監査の目的と対象範囲を忘れないことです。内部監査の目的は、トップが、トップに課せられたルールに従っているか、効果を出しているかを確認することです。決してトップに対して尋問をしたり、今自分が不満に思っていることをぶつけたりすることは、内部監査の目的ではありません。

また、対象範囲も踏み外してはなりません。これはISOの内部監査なのですから、あくまでも品質に関すること、環境に関すること、労働安全衛生に関することがメインのはずです。また、トップに関連する箇条は、先程も図でお見せしたように、限られています。ISOの全ての箇条がトップに関連するわけではありません。

こうした監査目的や対象範囲を踏み外してしまうと、トップは「なんでそんなこと聞くの?」と不信感を覚える可能性がありますので注意をしてください。

話題に困ったら「変更」に焦点を当てる

2点目は、話題に困ったら、変更に焦点を当てることです。

例えば「昨年から経営の方向性に何か変更がありましたか?」とか「去年と今年とでは、経営者としてのアプローチを何か変えましたか?」といった質問をしてみてください。これはISO9001でいうと、箇条6.3の「変更の計画」に該当するところですが、トップが変更をどのように監視しているか、変更に対してどういう具体的な手を打っているかも、トップに責任があるところです。

文書の形式的な指摘をするのではなく、その影響を指摘する

3点目ですが、文書の形式的な指摘をするのではなく、その影響を指摘するという点です。

例えば、方針を作って周知するのはトップの責任ですが「会議室に掲示している品質方針は、もう古くなっているのに、まだ壁に掛かっていますよ」という指摘をしても、経営者はおそらく「はぁ?」と思うでしょう。文書管理ができていないというのはISO上もよくないんですが、そういう形式的な指摘をするのではなく、例えば「会議室の壁に古い方針がかかってあるのを従業員が見たら、方針が大切だということが伝わりづらくなりますよ」というように、経営に対してどのような影響があるかを指摘するほうが、トップには響くでしょう。

話す分量はトップが8割。特に「組織の状況」(外部・内部環境)について話してもらう

4点目です。経営者にたくさん話してもらう、ということですね。短く的確な質問をして、トップの話をよく聞く、というのが大切です。

その上で、箇条4「組織の状況」…つまり会社を取り巻く外部や内部の環境、それに利害関係者のニーズや期待について多くを語ってもらうのがよいです。組織の状況は、トップへの内部監査の出発点でもありますので、ここから話を広げていくことができます。

もしトップへの内部監査で不適合が見つかった場合は

最後の点です。もし不適合が見つかった場合、どの監査基準から、どのように逸脱しているか、そして逸脱している証拠が何かを丁寧に説明してください。批難するような口ぶりではもちろんダメです。そして、不適合は悪いことではなく、マネジメントシステムをさらによいものにするためのきっかけであるということを強調しましょう。

まとめ

はい、というわけで、4回にわたってトップマネジメントに対する内部監査のポイントについて解説をしましたがいかがだったでしょうか。

トップに対する監査は緊張すると思います。私もはじめてトップに単独で監査したときは、ガチガチになりました。でも、これはISOの内部監査ですからね。ISOのことについては、トップよりも皆さんのほうが詳しいはずですので、準備さえしっかりやれば、緊張せずに、平常心でできるはずです。がんばってくださいね。

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