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自民総裁選「国民の声に応える政策討論会」にみる候補者の中小企業政策についての考え方

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

9月23日に行われた自民総裁選「国民の声に応える政策討論会」が行われました。この動画の54:50ごろから、中小企業の融資および給付金・助成金の手続きに関する質問がありました。4人の候補者の回答から、中小企業政策に対する考えを見ていきたいと思います。

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動画『自民総裁選 国民の声に応える政策討論会 コロナ対策、社会保障 など (2021年9月23日)』はこちら

質問者の質問

私は郡山市にある地方の協同組合組織の金融機関で働いているんですが、台風19号の後、コロナが終わりまして、融資を受けたい中小企業の方が、なかなか融資を受けられない状況になっています。その中でやはりなかなかのコロナ対策の時にはだいぶ融資のお金が出回ったんですが、それ以降なかなか中小企業にお金が回らない状況で、地域の企業の雇用であったり、地域の経済を支えている中小企業がだいぶ今疲弊している状態になっています。その点を踏まえまして立候補者の皆様に、このような企業さんに対しての今後の対策、あと今後の対応についてちょっとお聞きしたいのと、あと給付金、助成金も書類が煩雑すぎて中小企業の人たちには対応できないのが正直な現状でしたので、可能であれば中小企業枠的なものを作っていただいて、簡易なものにしていただいて、何とか地方にお金が回るようにお願いしたいなと思って、今日質問をいただきました。意見を頂ければと思います。よろしくお願いします。

岸田候補の回答

地方の中小零細企業に対する支援。いろいろメニューはあるんですが、細切れである、小出しである、あるいは見通しが立たない。こういった様々なご批判をいただいています。是非、分野や地域限定されない、そして事業規模に応じたさまざまな支援、去年の持続給付金や家賃支援給付金、こういったものをイメージしながら、新たな支援を行っていかなければいけない。このように思います。あわせて融資の話がありました。無担保無利息の融資。これを活用していただくこと、大変重要なんですが、コロナも2年目に入りまして、もう据置期間も来てしまって、返済が始まっているなんて声も聞きます。新たな支援も融資も必要とされています。ぜひこの辺についても柔軟に対応しなければならないと思っています。

具体的に、持続給付金や家賃支援給付金のような給付金の支援と、新たな融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付や、民間金融機関による保証料ゼロ、実質無利子化、借換保証のこと?)について言及しています。どちらも令和2年度補正予算で実施された施策ですので、今年度の補正で予算化することを検討しているのかもしれません。「分野や地域限定されない」というのは補助金ではなく、かつ緊急事態宣言の発令地域などによらない給付のことを指しているのでしょう。そして「事業規模に応じたさまざまな支援」というのは、昨年の持続給付金や家賃支援給付金等とは異なり、企業の規模や多店舗展開の有無によって給付額を変えるような内容のことを指しているのだと考えられます。

一方、岸田候補の回答には、質問者の「給付金、助成金も書類が煩雑すぎて中小企業の人たちには対応できない」という問題に対する回答がありませんでした。

高市候補の回答

今年も金融庁に、今年の5月頃でしたか、金融機関が決して貸し渋ることなく、しっかりと融資をするようにということをお願いいたしました。それはもう徹底してますということだったんですが、今もし事業主体、要は事業をしてらっしゃる方々が潰れてしまっては、仮にコロナが収束しても、働く場所もなくなる、そして所得も得られない。最終的には日本の経済にも大打撃でございます。ここはなんとしても、下支えをしなきゃいけない時期です。相当大胆な財政出動を私は考えております。来年まで待って、15ヶ月予算なんてことをせずに、年内にしっかりとした補正予算が成立するように取り組んでまいります。お待ちください、もうじきです。

「大規模な補正予算を組む」ということは述べていますが、中小企業政策としてどのようなものを検討しているかという具体的なアイデアについては言及されませんでした。また、質問者の「給付金、助成金も書類が煩雑すぎて中小企業の人たちには対応できない」という問題に対する回答もありませんでした。

「来年まで待って、15ヶ月予算なんてことをせずに、年内にしっかりとした補正予算が成立するように」と述べていますので、補正予算は例年のように12月(次年度当初予算と同時期)に閣議決定をするのではなく、もっと早くに閣議決定をして予算成立させるスケジュールを念頭においているのでしょう。

野田候補の回答

実はコロナ以前から、アベノミクスの一つのウリである金融緩和というか、お金はたくさん出しましょうということだったんですが、残念ながら下までというか、大・中小企業、そしてあの労働者ってなるんですが、お金がどこがでやっぱり滞留してしまっている現状でした。あの時ですら中小企業はなかなか貸してもらえないっていう現状があって、今コロナ禍になって、無利子無担保とはいえ、借りるべきか借りざるべきかという判断がつきにくくなっていると思います。一つの解決は、持続化給付金は非常に良かったという評判があるので、引き続き規模に応じてしっかりともう一度光を届けて、エールが送れればというような思いがしています。今有事ですから、しっかりと使うところにお金を使って、前に進もうという中小企業には手厚く今サポートするべきという時期だと私は確信しています。

岸田候補と同様、「規模に応じた持続化給付金」と述べていますが、融資については具体的な言及がありません。ところで前半の「お金がどこがでやっぱり滞留してしまっている現状」というのは、いわゆるトリクルダウンが機能しなかったことを指しているのでしょう。

なお野田候補も、質問者の「給付金、助成金も書類が煩雑すぎて中小企業の人たちには対応できない」という問題に対する回答がありませんでした。

河野候補の回答

規制改革の一環で、金融庁のガイドラインで個人保証なるべく求めないというような融資の形態を広げてまいりましたが、やはりコロナ禍でそれも限界があります。融資をどれだけ増やすかというよりは、本当にコロナで傷んでいる中小企業が経営を継続していくような給付をどうするかという議論が必要なんだと思います。それからその給付金を受けるための申請が面倒くさかったり、あるいは様々な情報が出る中で、実はこの返済が猶予されているのに気づかないというような中小企業もあるようですから、もう少しデジタルの整備をしっかりやって給付も簡単に受けられる、あるいは様々な情報を向こうからプッシュ型で「返済は遅らせていいですよ」というようなことが、きちっと先方からくるような、行政の側から来るようなデジタル化の整備というのをしっかりやっていきたいと思います。

「融資をどれだけ増やすかというよりは、本当にコロナで傷んでいる中小企業が経営を継続していくような給付をどうするかという議論が必要」という発言からは、融資よりも給付を主眼に置いているのかという印象を抱きます。

ところで河野候補は他の候補者と異なり、「給付金、助成金も書類が煩雑すぎて中小企業の人たちには対応できない」という問題に対する回答がありました。ただ「デジタル化すれば簡便になる」という印象があり、そもそも制度自体が複雑であることをどうするかについては言及がありませんでした。制度の複雑さと、申請方法の複雑さは、わけて考えるべき論点でしょう。

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